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国税庁長官の会見拒否 人前に出ない不可思議さ

 行政機関のトップとして首をかしげざるを得ない対応だ。

     国税庁が、佐川宣寿(のぶひさ)長官の就任に伴う記者会見を行わないと決めた。財務省理財局長だった時、森友学園への国有地払い下げ問題を巡り、国会で交渉経過の説明と徹底した調査を拒否した人物だ。

     佐川氏の就任は1カ月前だ。国税庁の記者クラブは会見を再三求めたが、国税庁は先送りした揚げ句、「諸般の事情」を理由に拒んだ。

     森友学園を巡っては、安倍晋三首相の妻を名誉校長とする小学校の用地として国有地が不当に安く売却されたのではないかと言われてきた。

     佐川氏は「価格は適正」と強調したが「記録は破棄した」「データはない」と繰り返した。木で鼻をくくったような姿勢に野党は反発した。

     「先方からいくらで買いたいと希望があったこともない」とも答弁したが、虚偽の可能性が指摘される。

     会見で国会答弁の疑問点を蒸し返されるのを嫌がったのだろう。

     佐川氏の人事について、「論功」との野党の批判に対し、麻生太郎財務相や菅義偉官房長官は「適材適所」と主張してきた。

     佐川氏は大阪国税局長や国税庁次長を歴任した。理財局長から国税庁長官に就任するケースは多く、佐川氏の昇格が異例なわけではない。

     それならば、なおさら堂々と会見に臨んでいいはずだ。応じないのは、何か後ろめたい事情があると思われても仕方がないのではないか。役所のトップが人前に出るのを拒むのは不可思議である。

     税金を徴収する国税庁の権力は絶大だ。公平さが重要な業務であり、国民の理解と信頼が欠かせない。

     佐川氏は会見の代わりとして文書で談話を出し、国税庁の使命を「公平な課税」「悪質な事案への厳正な対応」と表明した。

     ただ、森友問題解明のかぎを握る人物が疑惑をうやむやにしたまま、一方的に納税の重要性を強調しても説得力に乏しい。国税当局の税務調査に支障が出る恐れも指摘される。

     政権の対応も問題だ。

     首相の友人が理事長の加計学園問題と並んで不透明な行政への不信が国民の間で広がった。批判を受け、首相は「丁寧な説明」を約束した。佐川氏に会見を促すのが筋だ。

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