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社説

民間の小型ロケット開発 宇宙産業の裾野広げたい

 国内の民間企業が小型ロケットの開発に相次いで乗り出している。政府主導だった日本のロケット開発の競争力を高め、宇宙産業の裾野拡大につながることを期待したい。

     宇宙ベンチャー「インターステラテクノロジズ」は先月、北海道大樹町から観測用の小型ロケットを打ち上げた。宇宙空間への到達には失敗したが、今秋にも後継機を打ち上げる予定だ。キヤノン電子など国内4社は今月、新会社「新世代小型ロケット開発企画」を設立した。

     いずれも、重さ1~100キロ程度の超小型衛星を宇宙空間へ運ぶことを目指している。技術の進歩に伴い、小型で低価格でも、通信や地球観測などで一定の性能を持つ衛星の開発が可能となり、世界的に打ち上げ需要が拡大しているからだ。

     現状では、打ち上げ費用が高額な大型ロケットの空きスペースに便乗したり、多数の衛星をまとめて大型ロケットで打ち上げたりしている。ただし、この場合、打ち上げ時期を自由に決めることは難しい。衛星を投入する軌道にも制約が生じる。

     このため各国で、低コストで打ち上げ可能な小型ロケットの開発が進む。実用化すれば、中小企業や大学の研究室レベルでも、自前の衛星を持ちやすくなる。衛星データを活用した新ビジネスの創出や宇宙関連の人材育成に結びつく。

     日本国内の宇宙機器産業の規模は年間約3500億円で、官需が9割を占める。そうした官頼みの構造の転換にもつなげたい。

     宇宙活動法が昨年制定されたことも、民間の取り組みを後押しした。ロケットや衛星の打ち上げを国の許可制とする一方で、打ち上げ失敗で保険金額を上回る損害賠償が生じた場合は政府が一定額を補償する。

     政府は許可の基準作りなどを進めている。来年11月の全面施行に向け、作業を着実に進めてほしい。

     もちろん、開発には初期投資が不可欠で、失敗のリスクも伴う。

     イ社はロケットのエンジン開発に際し、委託費の形で経済産業省の支援を受けた。キヤノン電子などの新会社には、日本政策投資銀行も10%出資している。事業の実現可能性を的確に評価した上で、政投銀のような政府系金融機関による投融資も行っていくべきだろう。

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