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岐路の安倍政権 エネルギー政策 既定路線では解決しない

 エネルギー改革への関心が低く、旧来通りの原発依存から脱する気がない。安倍政権のこれまでのエネルギー政策を一言で言うなら、そうなるだろう。

     それを象徴するのが2014年に閣議決定した「エネルギー基本計画」と、これを基にした将来の「電源構成」だ。

     基本計画は原発について「依存度を可能な限り低減する」と言いつつ、「重要なベースロード電源」と位置づける矛盾に満ちた内容だった。

     30年度の電源構成の目標は、原発20~22%、再生可能エネルギー22~24%。エネルギー政策の大胆な転換からはほど遠く、既得権益を握る大手電力会社と経済産業省の発言力の大きさを反映する内容だった。

     現状はどうか。

     原子力規制委員会の安全審査を経て5基が再稼働したが、昨年度推計の原発比率は約2%に過ぎない。

     そもそも原発が安い電源であるという前提にも破綻が見える。原発の廃炉費用や事故の賠償費が膨れ上がり、その一部を原発とは無関係の新電力にまで負担させる仕組みを政府が作り出したことはその表れだ。

     内閣改造と時を同じくして、先週、エネルギー基本計画の見直しが始まった。政策を抜本的に見直すチャンスだが、世耕弘成経産相は会議の冒頭から従来路線の踏襲に言及している。

     それが意味するのは、原発新増設には触れないまま、運転40年を超える老朽原発も含めた原発再稼働をめいっぱい進めることだろう。それは、依存度低下にも、安全性向上にも反する。

     安倍政権に求められているのは、再生エネや省エネをこれまで以上に強力に進めるための方策を打ち出すことだ。昨年度推計の再生エネ比率は約15%で原発事故前の10%からは増えたが、十分とは言いがたい。

     世界の情勢を見れば、安全対策でコストが膨らみ続けている原発とは逆に、再生エネはコストが下がり続けている。

     既定路線のまま原発維持に莫大(ばくだい)な費用をつぎ込めば世界から取り残される。それより、再生エネの将来性を見越して制度や運用を改善し、投資を増やす。安倍政権を再生させるにはその方が得策のはずだ。

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