メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

社説

日米首脳の電話協議 緊張緩和の連携が必要だ

 北朝鮮が米軍の西太平洋の戦略拠点である米領グアム周辺への弾道ミサイル発射計画を発表し、米国と北朝鮮の緊張が高まっている。

     安倍晋三首相とトランプ米大統領はきのうの電話協議で「ミサイル発射を強行させないことが最も重要との認識で一致した」という。

     仮にミサイルが発射されグアムに着弾すれば、米国が反撃し軍事衝突につながる可能性がある。

     日米が強い態度を見せることで北朝鮮に対し抑止効果を働かせるという狙いがあろう。

     ただし、ミサイル発射を阻止するには軍事的圧力と同時に緊張を抑制する方策も必要だ。

     北朝鮮は7月に2回、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した。トランプ氏は挑発が続くなら「砲火と怒りに直面する」と警告した。

     だが、北朝鮮は対抗するようにグアム周辺を狙った発射計画を公表し、トランプ氏が軍事作戦の準備を表明して挑発合戦が激化した。

     むろん非は北朝鮮にある。度重なる弾道ミサイル発射は国連安全保障理事会決議に違反する。「グアム沖標的」は脅しでは済まされない。

     とはいえ、トランプ氏の言動が緊張を高めているのも確かだろう。

     主要国のほとんどが米朝間のつばぜり合いに懸念を示し、トランプ氏の発言には米国内にも批判がある。

     防衛省は発射されれば上空を通過する島根、広島、愛媛、高知各県に迎撃ミサイルを配置した。発射失敗などに備えるためで、理解できる。

     さらに、グアムに向かうミサイルを集団的自衛権を行使して自衛隊が迎撃することもあり得るという。

     グアムへの攻撃により米軍の攻撃力や抑止力が低下すれば、日本の安全を脅かす存立危機事態に該当しうるという解釈からだ。

     同盟重視とはいえ、先走りすぎではないか。事態認定は難しく拡大解釈の懸念がある。そもそも日本の現有システムでは迎撃が困難だ。

     日米は当面、圧力路線を維持する方針だ。中国も北朝鮮からの鉄鉱石などの全面禁輸を開始した。

     これに対し、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は「米国の様子をもう少し見守る」と述べている。

     圧力だけでなく緊張緩和の流れをつくり出す外交も進めるべきだ。

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 訃報 天野健太郎さん 47歳=台湾文学翻訳家
    2. 中央防災会議 南海トラフ前兆 M8級「半割れ」で要避難
    3. 韓国 BTS事務所 被爆者とナチス被害者に謝罪表明
    4. 自民党 下村氏憲法審幹事辞退へ 野党「職場放棄」発言で
    5. 米国 ガガさん「大統領、少しは加州の人に思いを」と批判

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです