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社説

4%成長とアベノミクス 出来過ぎの次が試される

 内需主導の経済成長をいかに定着させるかが問われている。

     4~6月期の国内総生産(GDP)の実質成長率は年率換算で前期比4%増だった。プラスは6四半期連続だが、これまでの1~2%程度に比べると突出している。

     主因は横ばいだった消費が大きく伸びたことだ。従来は輸出が支えてきたが、外需頼みは海外の景気に左右されやすい。安定成長には内需主導が望ましい。経済の好循環を掲げるアベノミクスの目標でもある。

     ただ、エコノミストの間では消費の伸びは一時的との指摘が多い。

     家電の販売が好調だったが、リーマン・ショック後の景気対策で大量購入された製品が買い替え時期を迎えている。レジャーや外食が活発だったのも、好天が寄与した。

     こうした特殊要因を除くと、節約志向は依然根強いとみられている。賃金の伸びが鈍いためだ。消費が本格回復すれば物価も上がるはずだが、上昇率は0%台にとどまる。

     この夏の天候不順でレジャーなどの消費が再び停滞し、7~9月期の成長率は落ち込むとの予測もある。経済の足腰が強くなければ、一時的要因に振り回されやすくなる。

     そもそも日本経済は、労働力や生産設備、技術などを十分に活用しても、達成できる持続可能な成長率(潜在成長率)は0%台に過ぎない。4%成長は実力をはるかに上回り、出来過ぎだ。政府も2%以上を目標にしている。改革を通じて潜在成長率を底上げすることが必要だ。

     アベノミクス開始から4年半以上が経過した。改革には十分な時間だが、政府は目先の対策を優先した。

     安倍晋三首相は昨年、景気てこ入れを理由に今年4月に予定していた消費増税を延期した。高齢化社会を支える安定財源が確保されなければ社会保障に対する国民の不安は解消されず、節約志向も変わらない。

     人口減少で国内市場は縮小している。企業は成長が描けなければ賃金を増やしにくい。財源が限られる中、政府は少子化対策に予算を重点配分すべきだ。企業が成長分野に参入しやすくなる規制緩和も重要だ。

     改革には痛みも伴う。ただ、6期連続のプラス成長は11年ぶりだ。安定した経済環境は、改革に踏み出す好機のはずだ。

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