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社説

バルセロナの車突入テロ 許しがたい無差別殺傷だ

 またしても許しがたい凶行が起きてしまった。

     夏の行楽客でにぎわうスペイン・バルセロナの中心街の歩道に、車が突っ込み、約110人が死傷した。

     多くの市民や家族連れ、外国人観光客らが憩いの時を過ごす夕方、犠牲になった。無防備の弱者を狙った無差別殺傷である。

     スペインのラホイ首相は「イスラム過激派の攻撃」と言明した。過激派組織「イスラム国」(IS)はインターネットを通じ「IS戦士が実行した」との犯行声明を出した。

     IS本隊が直接計画したものかどうかは分からないが、実行犯がISの思想に通じ、影響を受けている可能性は高い。

     車で群衆に突入するというテロは昨年7月、フランス・ニースで起き、同12月にベルリン、今年3月と6月にロンドンでも続発した。いずれもイスラム過激思想に影響を受けた者の犯行とされた。身近にある車を凶器にし、ソフトターゲットを狙うという卑劣な手口だ。

     スペイン治安当局はバルセロナから約120キロ離れた場所で、車で歩行者に突っ込んだ5人の男を射殺した。同時多発テロを図る計画だった可能性もある。

     ISは犯行声明で理由を、IS掃討作戦を進める米軍主導の有志国連合への報復だと記した。スペインも同連合に加わっている。

     掃討作戦はISの2大拠点であるイラク・モスル、シリア・ラッカで同時並行的に進められており、モスルはほぼ陥落、ラッカは近く陥落の見通しだ。イラクとシリアにまたがる支配地域が極小化される中、今回のテロには勢力誇示の狙いがあるかもしれない。

     また弱体化したとはいえ、インターネットを駆使した過激思想の拡散と波及は続いている。それに影響された者によるテロは欧米のみならず、東南アジアにも広がっている。

     問題はIS本隊が駆逐されても、その思想と分子が世界に拡散し、新たに感化される者が現れてしまうという現実だ。

     車を使ったテロを、事前に防ぐのは容易ではない。有効な手立ては少なく、世界中どこでも起こりうる。それゆえ国際社会は連帯を強めて、過激主義に立ち向かうしかない。

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