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社説

日米2プラス2の北朝鮮対応 連携強化には課題も多い

 高まる北朝鮮の核・ミサイルの脅威にどう向き合うか。日米の外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)がワシントンで行われた。

     米国は核兵器を含む日本への「拡大抑止」を明確にし、日本は同盟下で「役割を拡大し、防衛能力を強化させる」と約束した。

     北朝鮮が米領グアム周辺への弾道ミサイル発射計画を明らかにするなか、日米が強力な抑止力を構築し、攻撃を未然に防ぐ強い姿勢を打ち出したことは、評価できよう。

     しかし、解決しなければならない課題は日米ともにある。

     日本は陸上配備型の新迎撃システムを導入する方針だ。イージス艦搭載のミサイルを地上型に転用する。開発中の新型ミサイルを使えば2基で日本全土をカバーできるという。

     だが、ミサイル防衛には膨大な費用がかかる。新システムは1基約800億円だ。北朝鮮の技術向上に対応し装備を買い続けるのは無理がある。費用対効果を精査すべきだ。

     日米の軍事的一体化が一段と進む可能性もある。協議では北朝鮮がグアム周辺にミサイル発射した場合の日米連携について議論したという。

     小野寺五典防衛相は国会で米国の抑止力や打撃力が低下する場合、日本が集団的自衛権を行使し、迎撃し得るとの見解を示している。

     米軍の軍事作戦に連動し日本が役割分担することを意味するが、協議の内容は明らかにされていない。

     どういう事態だと具体的に迎撃が可能になるのか。日本の安全に影響するだけにこうした疑問について十分な議論と説明が必要だ。

     米政権内には北朝鮮の核能力を今のうちに排除する「予防戦争」といった強硬論から、北朝鮮問題を「余興」と軽視する意見まである。

     これに対しマティス国防長官とティラーソン国務長官は「北朝鮮との交渉をいとわない」と米紙に共同寄稿し外交優先の姿勢を明確にした。

     ティラーソン氏は「大統領に承認されている」と語るが、軍事行動を含む挑発的な発言で危機を高めてきたのが、そのトランプ大統領だ。

     軍事と外交のアプローチが戦略もなく打ち出されているように映る。

     日米とも国内に政治的な課題や対立が残ったままでは、効果的な抑止力にはつながらない。

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