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社説

小学校の夏休み短縮 授業増のしわ寄せは困る

 公立小学校で夏休みを短縮する動きが広がっている。大阪市では、今年度から1週間前倒しして、25日から2学期が始まる。

     主な理由は、増えた授業のコマ数を確保するためだ。だが、安易な夏休みの短縮には疑問が残る。

     夏休み期間は公立校では自治体が決める。地域で違いはあるが、7月下旬から8月末までが主流だった。

     ところが「脱ゆとり教育」を目指し、2011年度から小学校で、12年度から中学校で実施された学習指導要領では、主要教科で1割ほど授業が増えた。

     この頃から、授業の時間を確保するために夏休みを短縮する自治体が見られるようになった。

     東京都では今年度、夏休みが8月31日よりも前に終わる公立小がすでに全体の4割近くを占めている。

     20年度から実施される学習指導要領では、授業のコマ数はさらに増える。小学校高学年では教科としての英語の授業が始まり、これまでより年間35時間増加する。

     静岡県吉田町は、20年度からの授業のコマ数確保を先取りし、来年度から小中学校の夏休みを「お盆」前後の16日間程度に短縮する計画だ。平日1日あたりのコマ数が減ることから、教員の長時間労働を緩和する狙いもあるという。

     確かに夏休みを短くして授業にあてれば、増えた分を吸収し、平日の授業を減らすことも可能だ。

     だが、子供の学ぶ場は学校の授業だけではない。まとまった長期休暇で自然に親しむ体験や学校では得られぬ経験、自由な時間も必要だ。

     欧米では、2カ月以上の長い夏休みを使って、サマーキャンプなど体験活動を重視する国もある。

     日本でもNPO法人などが多様な体験活動を実施し、子供の参加を促している。「体験不足」が指摘される今の子供には必要な時間だ。

     増える授業のコマ数を確保するために、固有の価値を持つ夏休みを常に犠牲にすべきではなかろう。

     東京都足立区は一つの考え方を示した。同区は土曜日に授業をすることで、1週間短縮していた夏休みを今年度から元に戻した。

     子供たちが、自然体験を積んだり地域の活動に参加したりすることを重視した結果だろう。

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