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社説

北朝鮮の短距離弾発射 「火遊び」で緊張高めるな

 米韓合同軍事演習が続く中、北朝鮮は日本海に向けて飛翔体(ひしょうたい)を発射した。韓国はロケット砲、米軍は3発のミサイルと見ており実態ははっきりしない。とはいえ、北朝鮮の自制に期待していた国際社会は完全に裏切られた格好だ。

 飛翔体発射と関連するのは米領グアムへのミサイル発射計画だ。トランプ米大統領は、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長がこの計画の先送りを示唆したことを歓迎し、「何か前向きなことが起きるかもしれない」と述べていた。

 米朝対話も視野に入れて緊張緩和を図る発言だろう。北朝鮮が合同演習に関して過激な発言を続け、ついに飛翔体発射という「実力行使」に踏み切ったのは極めて遺憾である。

 26日は北朝鮮が軍事優先の「先軍政治」を始めた記念日(先軍節)の翌日に当たる。警告した手前、何もしないのは体面にかかわると金委員長は考えたのか。昨年は先軍節の前日、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の実験を行っている。

 今回発射した飛翔体は、韓国に対する攻撃を念頭に置いた可能性もあるが、グアムや米本土に届く射程ではないとされる点に、北朝鮮の一定の「自制」を見る人もいる。

 だが、米国の反応を見て、ミサイル発射や核実験の準備などでさらに揺さぶってくる可能性もある。重ねて言わねばならない。北朝鮮は「火遊び」のように挑発を続けて緊張を高める行為をやめるべきだ。

 とはいえ、北朝鮮に核を放棄させる道は極めて険しい。同国の最終目標は、核ミサイルによって水陸から米国を確実に攻撃できる態勢を完成させることだろう。

 北朝鮮の核をめぐる米朝枠組み合意(1994年)、2003年からの6カ国協議はいずれも実を結ばなかった。北朝鮮が時間稼ぎに終始したことが主な原因だろう。

 だが、中露が北朝鮮に厳格な態度を取りきれなかったことも否めない。米国を狙う北朝鮮のミサイルは中露にも届く。伝統的な友好国とはいえ核開発で北朝鮮をかばうのは中露の長期的利益にもかなうまい。

 米国と中露の関係はしっくりしないとはいえ、大国が結束しなければ北朝鮮の核廃棄は到底実現できないことを再確認すべきである。

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