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カイロ

大渋滞深刻 人口急増/日本支援、地下鉄に期待

渋滞の列が途切れないカイロ・イスラム地区の道路=篠田航一撮影
カイロの位置

 エジプトの首都カイロで、交通渋滞が深刻化している。人口増加に伴い自動車の数も激増する一方、政府の対応が追いついていないためだ。こうした中、日本のような車庫証明制度の導入を求める声が上がり、日本からの支援で地下鉄建設も進行中。慢性的な大混雑解消への期待がかかる。【カイロ篠田航一】

 ■首都圏の人口増

 「中心部で10キロ走るのに数年前までは30分だったが、今は1時間。10年以上カイロで運転手をしているが、今が一番ひどい。平日は車が動かず、タクシーに乗った意味がないと怒り出す外国人観光客もいる」。タクシー運転手のアフメド・シャールさん(40)がナイル川付近の幹線道路を走りながら語った。

 政府統計などによると、カイロに周辺都市を加えた「大カイロ圏」の人口は2016年、2200万人に達した。06年は1500万人で、10年間で47%増だ。国内の自動車登録台数も年々増加の一途で、10年の580万台から14年は36%増の790万台となった。エジプトの中古車サイトでは、日本円で数万円程度で買える車の情報があふれている。

 カイロ中心部は駐車場の普及が遅れ、路上駐車が当たり前だ。また、信号や横断歩道は少ないが、一方通行が多い。2車線の道路がドライバーの「割り込み合戦」のせいで3車線状態になるのは日常茶飯事。カイロ市も中心部のタハリール広場周辺を駐車禁止にするなど対策を打ち出すが、それでも車は滞る。

 交通事故も多く、エジプトの人口は日本の約7割だが、年間の事故死者数は日本の約3倍の推定1万2000人。事故が起きれば必然的に車の流れは止まる。「歩行者優先」の文化もないため、歩行者は車が途切れた瞬間に道路を速足で横断するしかない。

 ■「車庫証明」必要の声

 渋滞解消の有効策はあるのか。交通問題を研究するNGO「エジプト交通安全技術協会」のアデル・カシェフ代表(64)は、日本の「車庫証明」制度を見習うべきだと主張する。「政府は無策すぎる。駐車場を確保しなければ運転できないような規則が必要だ」

 一方、ビル建設に駐車場併設が義務化されるなど、最近になって「前向きな動き」もみられるという。

 ■地下鉄に期待も

 政府系紙アルアハラムによると、人口100万人あたりのバスの数はカイロは231台。753台のロンドンの3分の1以下で、公共交通機関の貧弱さが際立っている。

 こうした中、渋滞緩和策として期待されるのが地下鉄だ。カイロでは1980年代以降に開通した地下鉄1~3号線が走るが、これに加え、日本の国際協力機構(JICA)がエジプト政府と円借款契約を結び、「4号線」建設に乗り出している。カイロ中心部から三大ピラミッドがあるギザを結ぶ全長18.8キロ、16駅の路線が第1期工事として24年ごろまでに完成する見通しで、現時点での融資額は約330億円だ。

 JICAエジプト事務所で運輸部門を担当する池上京さん(30)は「4号線は、これまで公共交通機関が限られていたギザ地域を通り、通勤のほか観光への効果も期待できる」と分析。日本のトンネル技術などを活用して全駅を地下に設置する予定で、さらに延伸する可能性もあるという。

 中東やアジアのメディアが頻繁に引用する都市生活情報サイト「ヌンベオ」が発表した2015年の「世界の交通ワースト10都市」。渋滞の度合いや排ガス量などを総合した指数のランキングで、カイロは2位にランクインした。

1位 ムンバイ(インド)

2位 カイロ(エジプト)

3位 ナイロビ(ケニア)

4位 プネ(インド)

5位 コルカタ(インド)

6位 マイアミ(米国)

7位 テヘラン(イラン)

8位 ダッカ(バングラデシュ)

9位 レシフェ(ブラジル)

10位 デンバー(米国)

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