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社説

10回目迎えた学力テスト 効果を検証すべき段階だ

 全国の小学6年生と中学3年生が対象の、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果が公表された。

     教科は国語と算数・数学で、文部科学省が今春実施し、今回で10回目の調査になる。

     テストは、主に知識を見る問題と、応用力を問う問題が出題される。

     今回も平均正答率の上位県などに大きな変動はなかった。毎年指摘されているが、応用問題が苦手という傾向も同じだ。

     文科省は、昨年度に実施した学力テストで過去と同一の問題を出題し、その解答結果も分析した。すると、ほとんどの問題の正答率は変化していないことが分かった。

     子供たちの学力にプラス面の変化が乏しく、応用問題が苦手のままという状況を見ると、結果が指導法にどう反映されているのか疑問だ。

     その一方で、自治体などの順位や序列化を意識した動きは絶えない。

     昨年は、現場教員の一人から文科相に告発がなされた。教育委員会からの内々の指示で、学テ対策として過去に出た問題を授業中に子供たちに解かせているといった内容だ。

     全員参加の悉皆(しっかい)調査にこだわり続けていることが、こうした動きを生み出す主要因になっている。

     学力テストの目的は、児童・生徒の学力や学習状況を把握、分析して教師の指導や授業の改善を図ることにある。序列化ではない。

     目的の達成には、悉皆調査は必要ない。都道府県レベルの傾向であれば、抽出調査で十分対応できる。

     文科省は、今回から平均正答率を整数値で示すようにした。過度な競争をあおらぬ配慮という。だがその一方で、新たに20政令市の平均正答率も公表するようになった。

     全員参加の調査には、1回あたり50億円前後かかり、これまでに500億円以上を費やしている。

     文部科学行政には、十分な教員配置など、財源確保の必要性が大きい。費用対効果の観点からも、これまでの方法で調査を続けることには疑問がある。

     すでに子供たちの課題や学力の状況は十分判明している。

     学力テストは抽出調査にし、これまでに分かった課題の改善策の充実や多忙な教員への支援に力を注ぐべきであろう。

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