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余録

「きょうは学校はお休みにします…

 「きょうは学校はお休みにします。帰って家から出ないようにしなさい」。世界が核戦争の瀬戸際(せとぎわ)に立ったキューバ危機の当時、米ニューヨーク近郊の小学校に通っていた児童は先生にそう言われて帰宅した▲帰途、友達同士で「ソ連はミサイルを撃つのか」と話し合っていると、事情通の子が「ニューヨークはやられるよ」と人ごとのように言った。そんな思い出のある知人をはじめ、米国にいた邦人はこの時の緊迫を覚えている人が多い▲こちらは現代の日本、何と休校や授業時間を短縮した学校もあったという。早朝の警報に仰天(ぎょうてん)した方も多かろう。北朝鮮のミサイル発射によるJアラートだったが、避難の呼びかけに戸惑う間にミサイルははるか上空を越えていった▲瀬戸際は英語で「ブリンク」、それにスポーツマンシップの「マンシップ」をつけた「ブリンクマンシップ」が瀬戸際政策と訳される。あわや戦争の危機をわざと作って無理を通そうという策術だが、やりすぎれば自らも破滅を招く▲瀬戸際政策を得意芸とする北朝鮮が北東へミサイルを発射したのは、言葉通りグアム近海を狙えば瀬戸際から転落しかねぬと踏んだからか。思惑はどうあれ、無通告での隣国越えの発射が危険きわまりない所業なのはいうまでもない▲傍若無人(ぼうじゃくぶじん)の瀬戸際パフォーマンスが東アジアに呼び込む危険と不安は周辺のどの国も望んでいない。日米韓はもちろん中露も自らの利益を冷静に見すえ、共に封じねばならぬブリンクマンの愚行である。

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