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社説

101兆円の来年度予算要求 危機感の欠如にあきれる

 1000兆円を超す借金漬けの状態なのに、税収の倍近い予算要求を続けている。危機感の欠如にあきれるばかりだ。

 国の来年度予算の概算要求が締め切られ、各省庁の要求総額は101兆円規模と4年連続で100兆円の大台を超えた。年末にかけての編成で歳出改革に踏み出すべきだ。

 財政健全化を巡って、安倍政権は経済成長を通じた税収増に頼ってきた。だが、昨年度の税収は7年ぶりに減少し、赤字国債の追加発行を余儀なくされた。

 それだけに歳出抑制の重要性が増している。しかし、今回目立ったのは看板政策にかこつけるなど従来通り拡大を求める動きばかりだ。

 象徴的なのは、政権が掲げた「人づくり革命」だ。4兆円の特別枠が用意され、社会人の学び直しや人材育成支援など各省庁から要求が相次いだ。生産性の向上を目的としているが、以前からある事業の焼き直しに終わりかねない。

 「人づくり革命」の柱である教育無償化は金額を示さずに要求された。幼児教育だけで1兆円超とされるが、財源のめどが立っておらず、借金をさらに増やす恐れがある。

 国土交通省が要求した公共事業費は6兆円強と9年ぶりの高水準だ。「豊かで活力のある地域づくり」をうたうが、旧来型の道路整備なども目につき、地方の人口減少を食い止める効果は期待しがたい。

 社会保障費の肥大化も歯止めがかからない。厚生労働省の要求は31兆円台と過去最大規模だ。診療・介護報酬改定などによる圧縮が必要だ。

 危機感を欠く背景には日銀の金融緩和に伴う歴史的な低金利がある。

 財務省は金利の見積もりを引き下げ、借金返済に充てる国債費の要求を8000億円近く減らした。税収が伸びたわけでもないのに、歳出を増やす余地が出てきたとして、各省庁や族議員が圧力を強めている。

 それでも国債費は23兆円台と巨額であることに変わりはない。財政のたがを緩める余裕はない。

 財源が限られる中、予算配分の大胆な重点化も欠かせない。

 厚労省は待機児童対策として保育所整備なども要求した。高齢者に偏った配分を見直し、少子化対策に思い切って回すことも検討すべきだ。

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