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官民ファンドの実態 もっと国民に情報開示を

 国と民間が資金を出し合い、新しいビジネスなどに投資する官民ファンドが相次ぎ設立されているが、その実態がなかなか見えない。

     官民ファンドは、安倍政権が成長戦略の中で積極的に推進してきた。2016年度末現在、14ある官民ファンドのうち、改組も含むと12が第2次安倍政権になってから設立されたものだ。

     しかし、投資分野の重複があるほか、赤字続きのものもある。本来の役割を果たせず損失ばかりが膨らみはしないか、不安がぬぐえない。

     「官民」とはいえ、出資の大半は国である。つまり国民が株主だ。政府はその国民への情報開示を徹底すると同時に、それぞれのファンドについて、存続の必要性も含め厳しく点検すべきだ。

     官民ファンドの一つ、クールジャパン機構は、13年11月に経済産業省を監督官庁として設立された。アニメや日本食、日本のファッションなどを海外に売り込む事業を支援するのが狙いだ。資本金の約85%を国が、残りを民間の24社が出している。

     これまで23の投資案件に、総額519億円の出資を決めた。しかし、それぞれの投資が成果をあげているのかどうか、知る材料が乏しい。

     同機構は今年3月末、投資案件の一つから撤退した。2年半前に出資した日本アニメを海外に動画配信する事業だ。共同出資者となった企業が全株式を買い取った。

     問題は、機構が投資した10億円がどうなったかだが、いくら回収できたかの情報がない。機構全体の損益(16年度は23億円の損失)が開示されているだけだ。クールジャパン機構に限らず、官民ファンドは個別案件の運用成績を公表していない。

     投資に失敗はつきものだ。損失自体が問題なのではない。肝心なのは、それぞれの投資案件について透明性を高めることである。

     投資先の選定についても、根拠をもっと説明してほしい。自力でリスクを取れそうな大手企業や、その子会社なども含まれるからだ。

     官民ファンドの政府出資分の多くは、NTT株やJT株など国が保有する株式の配当などがもとになっている。国民のために使うべき貴重な財産だ。チェック体制の強化を急がねばならない。

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