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社説

障害者雇用事業所の閉鎖 よい職場を増やすために

 障害者が働く「就労継続支援A型」というタイプの事業所が閉鎖され、多くの障害者が行き場を失う事態が相次いでいる。

     「A型」をめぐっては不適切な運営が目立つことから厚生労働省が今春、補助金支給の要件を厳しくした。その影響で、経営が苦しくなっている事業所が多いという。厚労省や自治体は経営実態を把握し、障害者が突然放り出されることがないよう対策を立てるべきだ。

     岡山県と香川県で同じグループが運営する事業所7カ所が7月に一斉に閉鎖され、障害者約280人が解雇された。名古屋市に本社のある株式会社も全国6カ所の事業所を閉鎖した。今後も各地で閉鎖が相次ぐ可能性がある。

     2006年施行の障害者自立支援法で就労関連事業は拡充された。

     就労継続支援は「A型」と「B型」があり、いずれも国と自治体からの補助金で運営されている。「A型」はさらに障害者1人5万~6万6000円(月)の助成金も支給される。障害者と雇用契約を結び、最低賃金以上を支払うことが義務づけられている。

     本来、補助金は指導職員の人件費や事業運営の諸経費に投じられ、障害者の賃金は事業で得た収益から支払うことになっている。ところが、収益の上がる事業ができないため、必要経費や指導職員数を抑え、補助金を障害者の賃金に回してつじつまを合わせている事業所が多い。

     岡山の事業所はダイレクトメールの封入やリンゴの包装ネットの生産を障害者の仕事にしていたが、十分な収益が得られなかったという。

     初めから障害者の賃金を抑えるために就労時間を短くしたり、収益につながらない軽作業をさせたりしているだけの事業所も少なくない。

     多額の補助金を得ながら、「就労」に値しない運営実態の事業所が整理されるのは当然だ。

     ただ、失職する障害者の中には突然の環境変化に弱い人もいる。安心して別の就職先に移ることができるよう、国や自治体、地元の福祉事業所は協力して対応すべきだ。

     障害者に働きがいや高賃金を保障している「A型」事業所もたくさんある。よい職場を増やすためのステップにしないといけない。

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