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新聞で学ぼう

他者の意見から気付きも NIE全国大会 分科会で主権者教育報告

地域の「自慢」を取材、執筆した新聞について説明する名古屋市立なごや小学校の5年生たち=名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で8月4日、花岡洋二撮影

 <くらしナビ 学ぶ>

     8月に名古屋市内で開かれた「第22回NIE全国大会」の実践報告から、主権者教育と絡めた取り組みや外国人生徒への子ども新聞の活用例を紹介する。

     ●放置自転車や投票率問題

     特別分科会「主権者教育とNIE」では、発達段階に応じた実践が報告された。

     三重県伊勢市立東大淀小の中北好美校長は、前任校の同県志摩市立志島小の5、6年生がつくった地域新聞「はいじゃ志島」を紹介した。南海トラフ地震への備えについて地区の114戸にアンケート用紙を配って調べ、取材したもので、「今しか、ここでしかできない学びを体験できた。地域の一員としての役割を自覚し、安全で住みよい地域を自分たちでつくり出す力を育てることも主権者教育」と話した。

     名古屋市立丸の内中の西脇佑教諭は、学区内の駅周辺の放置自転車の問題を報じた新聞記事を活用。生徒はグループで解決策を話し合い、弁護士の助言で議論を深めたといい、「切実感をもって主体的に取り組めた」と語った。

     三重県立桑名西高の水野悟教諭は「自分のこと、自分たちのことは自分で決めていい。それを体験し、自信を持てれば、投票率も上がるのではないか」と話し、模擬選挙も含めた事前学習の重要性を強調した。

     また、他会場では愛知県豊田市立高岡中の吉田憲司教諭が3年生の実践を報告。始業前の時間帯に毎日新聞の「学校給食無料化広がる」という記事を示し、生徒に賛成・反対の立場から議論させたところ、「財政が圧迫される」と反対していた生徒が、「経済格差が広がる」との他者の意見から気付きを得たという。

     実践前後のアンケートを比較すると、「新聞を読むか」「政治に興味はあるか」「自分の考えを発表することは得意か」などの質問はイエスの回答が大きく伸びた。吉田教諭は「教科書だけでなく新聞を活用した成果」と話した。

     ●外国人生徒にも活用

     岐阜県可児市立蘇南中学校は全生徒の16%にあたる156人がフィリピンやブラジルなどの外国籍で、所属の学級とは別に日本語の指導をする「国際教室」で子ども新聞を活用した実践について小川裕美教諭が報告した。

     各新聞社の発行する子ども新聞は一般的に漢字にルビがあり、カラーのページや写真の掲載が多く、小川教諭は「日本語指導のための読み物としてハードルが低い」と説明。記事を選び、知らない言葉に線を引いて意味を調べる▽記事でわかったことや感想を書く▽画用紙にまとめ、発表する--という手順の「新聞記事調べ」という実践を通し、生徒の日本語の読み物への意識が変化したことを報告した。

     愛知県岩倉市の日本語・ポルトガル語適応指導教室も、高校、大学への進学を見据えた語彙(ごい)力、表現力を養うために新聞を活用。小中一貫して「キャリア教育」に沿って新聞記事から「仕事」を探して調べるという。加藤洋子副室長は「将来の仕事について考える取り組みを進めたい」と話した。

     ●体験取材で成長

     1学期に壁新聞を作った名古屋市西区の市立なごや小5年生による公開授業もあった。新聞は大正琴の老舗「ナルダン楽器」や名古屋城など地域の自慢を紹介。児童は「大正琴は弾いてみると、意外と難しかった」などと体験取材したことを語った。

     制作は、まず地元紙記者から取材と編集のこつを聞き、現場へ2度出かけ、聞き取りし、資料を集めた。編集会議では素材を取捨選択し、記事を書き、見出しも考えた。

     児童が言葉にこだわるようになったといい、北薗征賢教諭は「最初は『物』に着目して取材したが、やがて『人の思い』に着目する大切さに気付き取材した」ことに成長を感じたと述べた。

     公開授業の助言者でNIEアドバイザーの中井敏勝・名古屋市立志段味西小教頭は「新聞を読む子どもではなく、この先を生きる子どもを育てるのが目的だ」と、取り組みの意義を解説した。【花岡洋二、水戸健一、戸澤美佐、小島明日奈】

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