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社説

膨らむ防衛予算要求 脅威に備えつつ効率化を

 2018年度の防衛予算の概算要求は過去最大の5兆2551億円に上る。伸び率は今年度当初予算比2・5%増で、6年連続の要求増だ。

     弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮や軍事的な海洋進出を続ける中国など、日本を取り巻く厳しい安全保障環境を踏まえたという。

     高まる脅威に警戒を怠らず、防衛力を整備する責任が国にはある。

     ただし、同時に制約もある。全体予算の中での配分、費用対効果の考慮、専守防衛を厳守する装備体系などである。バランスをとり、メリハリをつける工夫が必要だ。

     防衛費は03年度から10年連続で減少したが、今の安倍政権発足後の13年度から5年連続で増加している。

     厳しい財政下で社会保障費が抑制を迫られる中、防衛費だけ拡大が自由に認められるわけではない。歳出改革は政府一丸で取り組む課題だ。

     それを前提にした装備調達や人員配置であるべきだが、疑問は多い。

     例えば、米国から購入する無人偵察機「グローバルホーク」だ。米側の生産コスト増の影響で見積もりより2割以上も調達費が増額した。

     大幅な経費上昇は透明性を欠く。米側の言い値に従うのではなく、経費圧縮の交渉を求めるべきだ。

     今回の目玉である弾道ミサイル防衛は、新たに米国製の地上配備型を導入し、3段の迎撃態勢を整える。

     飛来するミサイルに唯一対抗できるのがミサイル防衛だ。政府は「専守防衛にかなう装備」と主張する。

     しかし、1基約800億円とされる費用は明示せず、年末までに確定させるという。日本全域をカバーするには2基必要になる。

     ミサイル防衛は費用が高いうえ、多数のミサイルを同時に全部撃ち落としたり、ミサイルの脅威を完全に封じ込めたりすることはできない。

     北朝鮮がミサイルの増産や技術力向上を進め、日本がそれを抑止しようとする対抗措置を講じれば、軍拡競争につながるおそれすらある。

     防衛費の約4割を占めるのが人件費だ。災害派遣や国連平和維持活動(PKO)への対応は重要だが、15万人の陸上自衛隊の規模を再検討する余地はあろう。

     優先順位を決めて効率化に取り組み、必要性や効果を常に検証することが、適切な防衛力につながる。

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