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社説

北朝鮮と安保理制裁論議 圧力強化の包囲網目指せ

 北朝鮮の核実験強行に国際社会の危機感が高まった。国連安全保障理事会の緊急会合で各国代表がそろって北朝鮮の挑発的行動を批判した。

     ただ、温度差はある。米国は制裁を強化する新決議を採択したい意向で日英仏も同調している。一方、中露は制裁だけでは平和的解決につながらないと慎重姿勢だ。

     常任理事国の中露の協力がなければ決議の採択は難しい。中露を巻き込んだ包囲網で北朝鮮への圧力を強化する知恵が必要だ。

     安保理は8月に石炭全面禁輸などを盛り込んだ制裁決議を採択した。しかし、北朝鮮は意に介さず、大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験や核実験を続けている。

     いっそうの制裁強化を求める声が出るのも当然だろう。日米からは北朝鮮の生命線ともいえる石油の禁輸を求める声も強まっている。

     中露も北朝鮮の挑発を容認しているわけではない。両国が参加し、中国で開かれた新興5カ国(BRICS)首脳会議の声明にも北朝鮮非難が盛り込まれた。

     一方で主要な石油輸出国である中国は石油禁輸には慎重だ。中朝対立が決定的になり、北朝鮮の暴発を招きかねないことが理由という。

     過去8回の制裁決議は北朝鮮の行動を変えさせることにつながらなかった。制裁の抜け道も指摘されてきた。石油禁輸以外に有効な方法があるのか。中露も対案を示すべきだ。

     中国は米韓の軍事演習停止と同時に北朝鮮が核、ミサイル開発を凍結するという提案をしているが現実的ではない。対話を拒否するように挑発を続けているのは北朝鮮側だ。

     安保理の対立でほくそ笑むのは北朝鮮だ。米国は北朝鮮とビジネスを続ける国との貿易停止をちらつかせている。中国へのけん制だろうが、米中対立こそ北朝鮮が望むものだ。

     安保理の制裁決議は単なる懲罰ではない。北朝鮮の核保有は誰の利益にもならないという認識を共有し、北朝鮮の行動を変えうる実効性を持たせることが必要だ。

     朝鮮半島の危機はかつてない高いレベルにある。北朝鮮がさらに挑発を続ける兆候もある。日本は危機の正面に立つ。中露の説得や安保理の意見集約に重大な責任を負うことを忘れてはならない。

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