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余録

日本で初めて太陽の黒点を自作の反射望遠鏡で…

 日本で初めて太陽の黒点を自作の反射望遠鏡で観測したのが鉄砲鍛冶(かじ)で発明家の国友一貫斎(くにともいっかんさい)だった。天保年間のことだが、欧州ではちょうど11年周期の黒点の増減を発見した学者が観測を続けていたころである▲1835年から翌年の158日にわたる一貫斎の観測記録は欧州の記録とよく一致していたという。「太陽フレア」とはその黒点で起きる爆発のことで、エックス線や電気を帯びた粒子を放出する▲天文学史上初めて太陽フレアが観測されたのは1859年のことで、やはり黒点を観測していた英天文学者によるものだった。その名からキャリントン・フレアと呼ばれるこの現象は人類が知りうる限り過去最大級のフレアであった▲この時の磁気嵐でハワイやキューバでもオーロラが見られ、電信機は電源のスイッチを切っても電気が流れて交信できたという。近年はカナダで大停電を起こした1989年のフレアが有名だが、その数倍にのぼる規模と推測される▲6日夜から連日観測された太陽フレアは2006年以来の規模だった。全地球測位システム(GPS)の誤差が大きくなったり、高緯度地方で停電したりする恐れがある一方、ふだんより低緯度地域でオーロラが見える可能性がある▲キャリントン・フレア規模の磁気嵐が今起これば大規模停電などの被害で復旧に4~10年かかるという米国の試算もある。人間の技術文明など宇宙では吹けば飛ぶチリに等しい--そう自戒しつつ探したい、ここ数日の夜空のオーロラだ。

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