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社説

伊達公子さんが引退へ 再挑戦に勇気をもらった

 女子テニスの伊達公子選手が現役引退を表明した。

     「夢を持つのに年齢は関係なく、少しの勇気を持てば自分の世界を切り開けることを示すことはできたかな」と記者会見で語った。再挑戦の9年半を振り返る伊達さんは終始はればれとした笑顔だった。

     1996年、26歳で一度引退した。95年に世界ランク4位に浮上し、96年は日本女子として初めてウィンブルドン選手権で4強入りした。世界トップクラスの、全盛期での引退はファンには早すぎる印象があった。

     約1年間の休養をへて始めたのは、幼児や児童を対象にしたテニス教室だった。全国各地を回り、子どもたちにテニスを好きになってもらうところから取り組んだ。

     国際協力機構(JICA)のオフィシャルサポーターとして開発途上国の子どもたちにテニスを教えた。車いすテニスにも挑戦し、普及に努めた。こうした活動は人々の共感を集めていた。

     その伊達さんが2008年、37歳で現役復帰した。競技生活から10年以上のブランクがあったが、年齢とともに衰える体力や、時代とともに変わる競技スタイルへの挑戦が始まった。

     10年にはツアー大会で元世界ランク1位のマリア・シャラポワ選手(ロシア)を破るなど印象深い試合を残した。めざましい活躍で毎日スポーツ人賞の感動賞を受賞した。

     女子もパワーテニスが全盛だ。その時代に、展開の速さや経験で勝負できることを数々の年長記録を打ち立てることで証明し、「アラフォーの星」と呼ばれるようになった。

     20代の頃の伊達さんは勝ち続けなければいけないという気持ちに追われ、疲れ果てていたという。

     しかし復帰後は「一つ一つの挑戦が楽しく、必ずしも結果を出すことだけが達成感ではない」と、戦う意味を問い、冷静に周囲を見渡せる内面の強さを見せるようになった。

     昨年2度にわたり左膝を手術した。いつ試合に戻れるか見通せぬ中、筋力トレーニングに励み、挑戦し続ける姿は人々に勇気を与えた。

     今後について明らかにしていないが、テニスとは向き合っていくという。今月28日で47歳を迎える伊達さんの新たな挑戦に期待したい。

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