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工芸の地平から

技巧主義を超えて=外舘和子

 陶磁の宮川香山辺りから火がついた明治の工芸に対する関心は、この10年余り高まる一方だ。それは「超絶技巧」のキャッチフレーズのもと、金工の自在置物や本物と見まがう牙彫(げちょう)などを世間に再評価させ、遂(つい)に明治の七宝家・並河靖之(1845~1927年)の大々的な回顧展開催に至った(10月22日まで兵庫県・伊丹市立美術館)。精緻な銀線の縁取りと七宝釉(ゆう)で巧みに表現された藤花模様が、黒を背景に鮮やかな対比を示す花瓶など、確かに円熟期の並河七宝は、隙(すき)のない完成度の高さとモダンな意匠で現代人をも魅了する。人間の高度な手わざが成す究極のアナログ世界への憧憬(しょうけい)は、昨今のデジタル、バーチャルの席巻に対する反動かもしれない。

 伊丹では並河展と併設で現役の七宝作家9人の作品も紹介している。柔らかなパステル調でさりげない自然の…

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