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小田急電車への火災延焼 システムに死角はないか

 あわや大惨事というような状況がなぜ起きてしまったのか。経緯の徹底的な検証はもちろん、再発防止策の検討が必要だ。

     10日午後、東京中心部の小田急線で、電車に沿線建物の火災の火が燃え移り炎上した。乗客約300人にけがはなかったが、煙が充満する車内からの緊張する避難だった。

     疑問点が二つ浮かぶ。

     なぜわざわざ延焼中の建物の脇に電車は止まったのか。なぜ電車はそこからすぐに動かなかったのか。

     沿線で火災が発生し119番通報があったのは午後4時6分だ。

     現場に駆けつけた警察官が近くの踏切の非常停止ボタンを押し、電車は同11分、自動ブレーキにより、火災現場の脇で停止した。

     非常停止ボタンは、踏切内での事故などを防ぐためのもので、誰でも押すことができる。運転士の意思とは無関係に止まる。危険を避けるための仕組みが今回は裏目に出て、危険を招いたといえる。

     ただし、もっと早く乗客を安全な場所に避難させることができなかったのか点検しておく必要がある。

     小田急電鉄によれば、運転士は緊急停止後、マニュアル通り電車を降り、約23メートル先の踏切の安全を確認している途中で火災を知った。電車を発車させたのは同19分だ。

     この間に電車に延焼したため、再停車して乗客は避難した。

     電車が緊急停止してから、動き出すまでなぜ8分もかかったのか。

     緊急停止の解除は運転士の判断だ。消防署員らが線路上を離れ、安全確認を終えるまで時間がかかったという。もちろん、2次災害を生むことがあってはならない。

     ただし、電車が現場を離れる時間を短縮していれば、状況は変わっていたかもしれない。小田急、消防、警察などの連携は検証課題だ。

     電車の屋根はステンレス製だが、絶縁体としてポリウレタン樹脂を塗っており延焼につながった。電車そのものの防火対策も検討が必要だ。

     公共交通機関は、乗客の安全を守ることが最大の使命だ。火災などの非常事態をいかに早く把握し、適切な行動につなげるのか。

     当然と思っているシステムに死角はないのかを含め、今回の事態を問題点を洗い出す契機にすべきだ。

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