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対北朝鮮9回目の制裁決議 挑発阻止へ結束の維持を

 新たな制裁で圧力を強めつつ、北朝鮮の政策転換を促す糸口を探らなければならない。

     国連安全保障理事会が採択した制裁決議は米国作成の原案より後退したように見える。

     だが、そうとばかりは言えない。

     日米が主張した原油の全面禁輸は入らなかったが、原油と石油精製品それぞれの輸入量に上限が設けられた。北朝鮮が挑発行為を続けるなら次は石油が主要な制裁対象だという警告になる。

     北朝鮮の主力産品である繊維製品の輸出は全面禁止とされた。

     米国は早期採択を優先させ、中国も協調姿勢を見せた。協議に数カ月かかるのが常態化していたことを考えれば、核実験から1週間あまりで採択できたことには意味がある。

     安保理制裁は2006年以降、9回目で、すべて全会一致だった。だが、これまでの制裁が効果を上げたとは言えない。回を追うごとに制裁が厳しくなるのを横目に、北朝鮮は核・ミサイル開発を続けてきた。

     暴走を可能にした一因は制裁の履行が徹底されなかったことだ。ただ最近は変化も見られる。

     最大の貿易相手である中国は決議の全面的な履行を求める談話を発表した。これまでは抜け穴として利用されてきた東南アジア諸国でも、制裁履行に前向きな動きが見られるようになった。中南米や中東でも北朝鮮との関係を見直す国が出始めた。

     問題は、ロシアが依然として消極的な姿勢を見せていることだ。ロシアには大国としての責任を自覚してほしい。

     北朝鮮が国際社会の声に耳を傾けない背景にあるのは、体制生き残りのために核保有が必要だという強迫観念だ。北朝鮮は、イラクやリビアは核兵器を持たなかったから米国の攻撃を受けたのだと主張している。

     こうした考えから脱却させ、国際社会と協調した方が自らに有利だと考えるよう誘導する。それが国際社会の目指すべき道だろう。

     北朝鮮は安保理で新たな決議を採択したら「最後の手段も辞さない」と主張していた。制裁を口実にミサイル発射などを行えば、事態はさらに深刻化する。国際社会は結束を維持し、さらなる挑発を許さない姿勢を明確にしなければならない。

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