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社説

地方議員の政活費不正受給 ネット全面公開の徹底を

 地方議員の政務活動費(政活費)を巡る不正が後を絶たない。住民の税金を使っているという意識がまだまだ足りない。

     神戸市議会で市政報告の印刷を架空発注したり偽造領収書を業者に発行させたりしていた橋本健市議が辞職した。5年間に市政報告の製作費などとして政活費約1000万円を受け取っていた。神戸地検なども詐欺容疑で捜査を始めた。

     神戸市議会では2年前にも自民党系会派が不正取得した政活費を市議選前に陣中見舞いとして配ったことが発覚し、3人が詐欺罪で在宅起訴され辞職した。これでは市議会の感覚が疑われる。

     富山市議会では昨年、不正受給が発覚して市議14人が辞職した。飲食やゴルフ、選挙資金に使う議員もいた。兵庫県の「号泣県議」による政活費詐取事件から3年たつのになぜ繰り返されるのか。

     議員の良心に訴えるだけではもはや限界がある。住民がいつでも容易にチェックできる仕組み作りをもっと急ぐべきだ。1円以上の領収書や支払証明書の提出を例外なく義務付けるとともに、使途を裏付ける文書をインターネットで公開するようルール化することが欠かせない。

     ネット公開は議会が決めればすぐ実現できる。ところが、全国市民オンブズマン連絡会議によると、都道府県、政令市、中核市の計115議会のうち領収書をネットで公開しているのは30議会にとどまる。

     支出先の個人情報保護を巡る慎重論が、ネット公開を阻んでいるらしい。しかし実際にネット公開している議会がある以上、課題は克服できるはずだ。適正な支出であれば公開しても議員活動に支障はあるまい。

     神戸市議会は昨年から領収書などのネット公開を実施し、富山市議会も年内に始めるという。不祥事を受けての対策だが、徹底した透明化を進める必要がある。

     支給方法も使った分を請求し、精査して渡す形が妥当だ。事前支給は「使い切らないと損」という意識が不正を生む。後払い方式に切り替えるべきだ。

     外部から使い道をチェックする第三者機関の設置も有効だろう。ありとあらゆる手段で、常識外れの支出を防ぐべきだ。

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