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社説

日朝平壌宣言から15年 アジア安定の目標は不変

 小泉純一郎首相と北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記が会談し日朝平壌(ピョンヤン)宣言に署名してから、きょう15年を迎える。

     日本は植民地支配の過去を清算し、北朝鮮は核・ミサイル・拉致問題を包括的に解決したうえで日朝が国交を正常化するのが柱だ。

     金総書記が核問題解決を約束し、拉致問題を認め謝罪したことで、日朝関係は前進するかにみえた。

     しかし、宣言の目的はどれも果たせず、遠ざかっているのが現状だ。

     北朝鮮は米本土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射し、水爆の実験に成功したと主張している。核弾頭化した弾道ミサイルの配備も間近とみられている。

     拉致問題は、15年前の「5人生存、8人死亡」をもって「解決済み」と譲らず、口では再調査を約束してもなにも進んでいない。

     宣言はすでに空文化しているという事実は受け止めざるを得ない。

     しかし、それでも平和で安定した北東アジアを構築するという宣言の理念は揺るがないはずだ。

     宣言は、米国を含む関係国が信頼関係を築き、国交を樹立し、地域の信頼醸成を図る枠組みを整備する、という方向性を明確に示している。

     こうした構想は、後の日米韓中露と北朝鮮の6カ国協議の設立に反映されている。

     宣言は、正常化後に日本が北朝鮮の国づくりや人道支援などで経済協力することも明記している。

     もちろん、軍事的な挑発行為を繰り返す今の北朝鮮に対して日本が支援を持ち出すのは現実的ではない。

     緊張を高めて譲歩を引き出す北朝鮮の手法に振り回されてきたのは、米国だけでなく日本も同じだ。

     一方で、国際社会は北朝鮮の非核化を一致した目標に据え、安全保障や人権上の懸念を解消すれば将来の経済支援も否定していない。

     北朝鮮が挑発行為をやめ、非核化に転じるなら、制裁は弱まり、インフラ整備などで協力を受けられるという利益を示すことも必要だ。

     核とミサイル問題にばかり焦点があたり、拉致被害者家族からは「国民の拉致問題への関心が薄れていると感じる」と憂慮の声も聞かれる。

     核・ミサイル・拉致の包括的解決という原則を維持しつつ、硬軟両面の外交を粘り強く続けるべきだ。

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