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社説

人づくり革命と人生100年会議 看板変えて何をするのか

 大仰な看板ばかり増やして、いったい何をやりたいのだろうか。

     政府は新たな目玉政策に掲げた「人づくり革命」を具体化する議論に入った。舞台とする有識者会議は「人生100年時代構想会議」だ。

     長寿社会を見据え、人生のさまざまな段階の教育や雇用のあり方を検討するという。幼児教育の無償化、給付型奨学金の拡大、社会人の学び直し、高齢者雇用が主な課題だ。

     方向性に異論は少ないだろう。日本の教育に対する公的支出は先進国で最低水準だ。無償化の推進は、家庭の経済事情による教育格差を是正し、少子化対策にもつながる。

     問題は、同じような中身の政策を以前にも看板として打ち出し、課題をしっかり検証しないまま、新たな看板を持ち出したことだ。

     奨学金拡大や高齢者雇用は、政府が昨年策定した「ニッポン1億総活躍プラン」にも盛り込まれている。

     安倍晋三首相は1億総活躍社会を「若者もお年寄りも誰もが能力を発揮できる社会」と説明してきた。今回、人づくり革命と人生100年時代については「1億総活躍社会をつくりあげる本丸」と語った。

     同じ内容を別のスローガンで言い換えただけだ。新味を出したいのだろうが実態は堂々巡りに過ぎない。

     しかも議論の対象が広すぎる。有識者会議のテーマには、大学改革や企業の新卒一括採用見直しも入った。いずれも以前から検討されながら、改革が難航してきた課題だ。

     会議は年内に中間報告、来年前半に基本構想をまとめるという。時間は短く、大風呂敷を広げた結果、どれも生煮えで終わりかねない。

     首相が人づくり革命を打ち出したのは6月だ。加計学園問題などで内閣支持率が急落した時である。

     これまでも支持率が下がるたびに「経済最優先」を唱え、新しい看板を掲げては政権浮揚を図ってきた。「アベノミクス新三本の矢」や「地方創生」もそうだ。

     だが、成果が十分に出ないまま、次々と変えてきた。従来政策の課題を検証しなければ、効果的な対策も立てられないはずだ。

     幼児教育の無償化だけでも1兆円超が必要だ。課題の検証も深い議論もないまま、看板に名を借りた大盤振る舞いに走ってはいけない。

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