耳が聞こえないのは生まれつきですが、周囲が気付いたのは3歳ごろ。両親と弟は聴者(耳が聞こえる人)で、話しかけても振り向かないのをおかしいと思ったそうです。ろう学校が近くになく、両親が生まれ育った横浜市に引っ越しました。
当時のろう学校は手話が禁止されていて、発声や口の動きを読み取る「口話教育」が授業の中心。聴者に合わせることが、社会への順応につながるという考えが前提にあるのでしょうね。家族のコミュニケーションも口話で、手話は社会人になるまで知りませんでした。
東京の短大に進学し、初めて聴者の友達ができました。学力が足りず4年制大学には行けなかった。ろう学校…
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