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余録

東京が江戸と呼ばれた当時から…

 東京が江戸と呼ばれた当時から、人口の一極集中対策は為政者にとって悩みの種だった。江戸時代の天保年間、幕府は江戸の人口を抑えようと「人返しの法」を出したことで知られる▲このおふれ、江戸から地方に人々を強制送還したような印象が強い。だが、実際には、地方から江戸に人が新規に移り住むことの阻止に主な狙いがあったという(国史大辞典、吉川弘文館)▲さて、これと似た発想が今もあるのかと思わせるのが、政府による大学の定員規制である。東京の大学に進学して地方を離れる若者の数を抑えるため、東京23区内にある私大の学生の定員増加を認めない方針という▲大学進学を機に東京に移る学生の多くは故郷に戻らない。その一方で、地方大学の多くは人口減少が進む中での定員割れに悩んでいる。いっそ東京の学生の総数を規制してしまえば、と考えたらしい▲とばっちりを受けた形の在京大学だが、地方への貢献に取り組んでいる例も最近は少なくない。たとえば、大正大学は将来地方で活躍する人材を育てようと地域創生学部を設けた。他の大学でも地方の振興策づくりに研究室や学生が協力するケースが増えている▲江戸時代の人返しの法の効果は疑問視されている。定員規制には小池百合子都知事らが猛反発している。やはり、いささか無理筋ではないか。地方大学の魅力を増し、在京の大学も地方に協力する流れをどう加速するか。「平成の人返し」と呼ばれぬための、知恵の絞りどころであろう。

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