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社説

70歳からの年金受給論 選択肢を広げた方がいい

 年金の受給開始年齢を各人の選択で70歳より後に遅らせる案の検討が始まった。内閣府の有識者会議が高齢社会対策の骨子に盛り込むことを決めた。

     何歳になっても働き続けられることは、その人の生きがいだけでなく、年金財政の安定にも有効だ。少子高齢化が進む中で年金制度を維持する方策を考えないといけない。

     年金制度を維持するには、現役世代の負担を増やしたり、高齢者の受給額を減らしたりするしかない。

     会社員や公務員が加入する厚生年金の保険料率が2004年の制度改正から毎年0・354%ずつ引き上げられてきたのはそのためだ。その保険料率は今月18・3%に引き上げられ、制度改正で定められた上限に達した。これで固定される。

     今後は現役世代が出す保険料の範囲内で、年金支給のやり繰りをすることになる。パートなどの厚生年金加入をもっと促して加入者数を増やしたり、一律に受給開始年齢を引き上げて受給者の急増を抑えたりすることを考えないといけない。

     自ら保険料を払わなくても基礎年金を得られる専業主婦(第3号被保険者)については、働いて保険料を払っている女性から不公平との批判が根強い。年金財政のためにも改革が検討されるべきだ。

     少子高齢化は数十年にわたって続く。こうした対策を実行しても年金水準が下がっていくことは避けられない。

     年金は65歳から受給できるが、65歳を過ぎても元気な人は大勢いる。一律に受給開始年齢を引き上げなくても、個人の選択で70歳まで遅らせることは現行制度でも可能だ。内閣府の有識者会議はそれをさらに70歳より後にずらそうというのである。

     年金受給を1年遅らせると受給額は約8%増額される。70歳からだと40%以上の増額になる。一般の人にとっては自分で資金運用するより、働き続ける方が有利だ。

     受給開始が遅れれば、それだけ受給期間が短くなる。亡くなって受給できなくなる可能性もある。しかし、年金は長生きのリスクに備える保険である。

     元気で意欲のある人は、年金を受給せずに働き続けることも選択肢の一つとして考えるべきだ。

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