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社説

トランプ大統領の国連演説 北朝鮮は考え直すときだ

 ミサイル発射を続ける北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長を「ロケットマン」と皮肉り、軍事攻撃による北朝鮮の「全面的な破壊」にも言及した。国連総会の一般討論で初めて演説したトランプ米大統領である。

     「全面的破壊」には会場に驚きが広がった。穏やかじゃない。乱暴だ。そう思った人も多いだろう。

     無論、軍事行動など誰も望まない。だが、北朝鮮が国際世論も安保理決議も無視して挑発的な言動を続ける限り、軍事オプションがますます現実味を帯びてしまう。

     トランプ氏は、北朝鮮による「日本人の13歳の少女」(横田めぐみさん)の拉致や金氏の異母兄・金正男氏の暗殺にも触れて、北朝鮮を「ならず者政権」と呼んだ。

     また、非核化こそ「唯一受け入れ可能な未来」だと北朝鮮は悟るべきだと説き、同国に敵対的な振る舞いをやめさせるよう全ての国々が協力することを訴えた。

     国連に批判的なトランプ氏が総会で一致団結を呼びかけたのは皮肉な感じもするが、北朝鮮は「自滅への道」を歩んでいるという見方も含めてトランプ氏の指摘は正しい。

     演説に反発する北朝鮮も今こそ考え直す時だ。イラクやリビアの旧政権は核兵器を持たないから倒された。北朝鮮はそう主張している。

     だが、中国やロシアと歴史的にも地政学的にも関係が深い北朝鮮はイラクやリビアとは異なる。核兵器を放棄しても国家として生存し繁栄する道はいくらでもあるはずだ。

     ここは北朝鮮にとって重要な分かれ道である。米国は今後とも軍事的圧力を強めよう。来月には米空母打撃群が朝鮮半島近海に展開する見通しで、月内には日米韓の弾道ミサイル防衛演習も予定されている。

     過去の例に学べば、米国が圧力をかけ続けて後戻りしにくくなることもある。日韓が懸念する偶発的な衝突もあり得る。どうせ米国は軍事力を使えないと北朝鮮が高をくくるのは賢明ではない。体制維持を最優先するならなおさらだ。

     政治の役割は終わっていまい。トランプ氏の演説に先立ってグテレス国連事務総長は核戦争の懸念を表明し、政治的手腕の重要性を訴えた。中露の北朝鮮説得も含めて、政治の役割はむしろこれからだ。

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