メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

余録

日露戦争の講和をあっせんしてノーベル平和賞を受けた…

 日露戦争の講和をあっせんしてノーベル平和賞を受けた米国大統領セオドア・ルーズベルトだが、人柄は平和的でなかった。自前の義勇軍を率いて戦場に赴くなど、歴代大統領の中でも名うての戦争好きだった▲「こん棒外交」とは武力を背景に米大陸の国々に介入した彼の外交をいう。「大きなこん棒を持って、静かに話せ。そうすれば話は前に進む」。彼はそう語り、帝国主義時代の米国の影響力を広げた▲大きなこん棒を持つ者は騒いではいけない。逆に決定的な力のない者がハッタリを言う。それが従来の国際政治の常識だった。だから先日、米大統領が北朝鮮の「全面的破壊」を口にした時、国連の議場がざわめいたのも無理はない▲大言壮語(たいげんそうご)で戦争の危機をあおって実利を引き出すのは北朝鮮の指導者の得意芸である。核やミサイルの開発もそのための道具にほかなるまい。しかし対する米大統領まで似た芸風に染まるとは昨年まで誰も予想しなかった展開である▲北の外相がこれに「犬がほえる声」と応じたのは、殲滅(せんめつ)やら火の海やらといった脅し文句の大好きな自分たちのお株を奪われたからか。米大統領には北が求める戦略的対等にお墨付きを与えるような恫喝(どうかつ)の激しさ比べは得策といえまい▲ここは北の暴発を抑止しつつ、国際社会の対北制裁の結束をリードする静かで大いなる力を示してほしい米大統領である。ついでながらこん棒外交の大統領は退任後、第一次大戦での愛息の戦死によりすっかり元気を失ったそうである。

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. ORICON NEWS 安室奈美恵さん、引退決断した理由語る 7年前に声帯壊し「限界なのかな」と不安も
    2. 平成最後のお年玉 年賀はがき当選番号が決定
    3. ORICON NEWS NGT48も松本人志も救う? “地獄見た”指原莉乃の神がかった対応力
    4. 埼玉・春日部共栄の野球部監督が暴力行為
    5. 「日本反対の趣旨でない」北方領土引き渡し反対集会の主催者

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです