メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

踏み跡にたたずんで

猿染めの沼=小野正嗣 /大分

 僕の小説にはよく猿が出る。

 うん、その自覚はある。

 仏壇に向かって背中を小さく丸めて手を合わせている人がいる。そう思って電気をつけたら、お供え物の桃を盗みに来た猿だった。そんな話を4半世紀前に教えてくれたのは母方の祖母だった(あるいは祖母からそれを聞いた母だったか……)。

 しかし、それは猿ではなくて、猿の姿を借りて妻に会いに来た、終戦の年に海難事故で死んだ夫だった--とは、もちろん祖母は言わなかった

 僕が勝手にそんな情景を思い描いて短篇小説に書き込んだのは、もう20年も前のことだ。

この記事は有料記事です。

残り1949文字(全文2193文字)

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 2019年のGW 10連休が浮き彫りにする労働格差
  2. システム障害 札幌地下鉄で運行停止 乗客一時閉じ込めも
  3. 東日本大震災 県内の大気中の放射線量 /埼玉
  4. 香港 高速鉄道、例外的な法律適用 中国の影響懸念
  5. 個人情報 本物のパスワード記載「脅迫メール」が横行

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです