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最高裁が参院選「合憲」判断 お墨付きだとは言えない

 「1票の格差」が最大3・08倍だった昨年7月の参院選について、最高裁大法廷は、合憲の判断を示した。著しい不平等状態だったとはいえないという結論だ。

     最高裁は2012年と14年の2度、それぞれ最大格差5・00倍と4・77倍だった参院選を違憲状態とし、都道府県単位の区割りの見直しを求める抜本的な改正を促した。

     これを受け国会は一昨年、鳥取・島根と徳島・高知を「合区」とし、選挙区定数を「10増10減」する改正公職選挙法を成立させた。

     今回の合憲判断は、こうした国会の取り組みにより、長年5倍前後で推移してきた「1票の格差」が、縮小したことを評価したものだ。

     ただし、最高裁は合憲の判断に至ったもう一つの理由として、一昨年の改正公選法の付則を挙げた。

     国会が次回の選挙に向けて選挙制度の抜本的な見直しの検討をし、必ず結論を得ると明記したことだ。

     最高裁は「格差のさらなる是正に向けての方向性と立法府の決意が示された」と言及した。

     いわば今後の取り組みへの期待値が判決には込められている。決して現状へお墨付きを与えたわけではない。国会は歩みを止めることなく一層の格差是正に取り組むべきだ。

     判決は、格差が縮まったことを評価したが、合区では、島根を除く3県で投票率が過去最低を記録した。選挙の存在が身近に感じられなくなり、有権者の関心低下を招いたとすれば、問題は根深い。

     大都市への人口集中が進む中、地方との格差を是正するには、さらに合区を増やすことになる。その弊害にも目を向けねばならない。

     選挙制度の見直しをめぐっては、各党の主張の隔たりは大きい。一方、判決は、参院選でも投票価値の平等の要請に配慮すべきだと、くぎを刺している。国会の議論が平行線をたどれば、再び格差は広がり、厳しい司法判断が出されるだろう。

     区割りの見直しだけに限った議論では、やはり1票の格差問題の解決は難しい。

     2院制の下で、衆院と参院がどう役割分担をするのか。また、参院の存在意義はどこにあるのか。選挙制度の抜本解決には、そうした本質的な議論が避けられない。

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