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木質バイオマス

発電所要件見直しへ 駆け込み申請急増で

木質バイオマス発電に使われる木質ペレット

 再生可能エネルギーでつくる電力を買い取る「固定価格買い取り制度」で、一般の木質バイオマス発電について、経済産業省は事業者による発電所の認定要件を見直す方向で調整に入った。来月から木質バイオマス発電の買い取り価格が引き下げられることから、企業の「駆け込み」申請が急増。燃料の供給面などから、認定した全ての発電は現実的ではないと判断した。

     「駆け込み」の発端は、昨年12月に開かれた電力の買い取り価格を決める経産省の専門委員会。席上、今年10月以降の申請分から、出力2万キロワット以上での価格を1キロワット時当たり24円から21円に引き下げることを決めた。その後、申請する事業者が相次ぎ、認定された発電量は約316万キロワット(昨年11月末)から1146万キロワット(今年3月末)と急増している。

     NPO法人「バイオマス産業社会ネットワーク」によると、認定通りに発電された場合、主な燃料となるペレットは約3000万トンが必要となるという。この数字は、世界全体のペレット生産量である約2800万トン(2015年)を上回り、日本国内の生産量(12万トン<同>)の250倍にもなる。実態と懸け離れた発電量が認定された背景には、事業者が申請の要件さえを満たしていれば、今年3月までは発電設備に関する裏付けが不要だったことなどがある。

     経産省は、28日開催の専門委員会で、この問題を議論する。経産省関係者は「委員は『認定要件の見直しが必要』という見解で一致している」と明かす。委員会では、既に認定した事業者については実際の能力に見合った発電量に再申請させるなど、正常化に向けた議論に入る。

     バイオマス発電に詳しい東北芸術工科大学の三浦秀一教授(地域エネルギー学)は「現実と懸け離れた発電量が認定されており、制度が破綻しているとも言える。早急に見直しを検討する必要がある」と指摘する。【鈴木理之】

     【ことば】バイオマス発電

     バイオマスは動植物などから生まれた生物資源の総称で、廃材や間伐材、家畜排せつ物や生ごみなどを燃やしタービンを回すことなどで発電する。石炭などの化石燃料と比べて二酸化炭素排出量が少ない。また、風力や太陽光発電と比べ、天候に左右されず安定的に発電できるメリットもある。国は地球温暖化対策として利用拡大を推進している。

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