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社説

東芝の半導体子会社売却 やっと再建の緒についた

 原発事業の巨額損失で揺れる東芝が、ようやく再建への一歩を踏み出せることになった。

     損失の穴埋めに不可欠だった半導体子会社の売却について、米投資会社ベインキャピタルを軸とする日米韓連合と契約を結んだ。今年度末までに約2兆円の支払いを受け、債務超過を埋めて上場廃止を回避できる見込みだ。

     日米韓連合への売却は6月に固まりかけていた。しかし、半導体事業で提携する米ウエスタン・デジタルが、国際仲裁裁判所に「売却は契約違反」と訴えたことが障害となり、詰めを欠いた。

     8月になって早期決着を促す銀行団にも押され、一転してウエスタン・デジタルを売却先とすることを決めた。ところが、細部の交渉過程で溝が表面化する。経営に強く関与したがるウエスタン・デジタルへの不信感だったと言われる。

     迷走した末、米アップルなども加わった日米韓連合に戻ったわけだが、売却後も東芝が経営権を握るという半導体会社の前途は多難だ。

     国際仲裁裁判所での訴訟問題は残ったままである。関係各国の独占禁止法審査もクリアしなくてはいけない。また、契約後に予定した関係者の記者会見が流れるなど、素早く大胆な経営判断が寄り合い所帯で可能かどうか不安がつきない。

     何より東芝にとって最大の課題は、半導体会社を切り離した後の本体の再建にある。今は、上場廃止の恐れという差し迫った危機を回避できたにすぎない。

     不正会計発覚を受けて医療機器や家電の部門を売却した後、東芝は2015年末に「新生東芝アクションプラン」を打ち出した。その柱は、海外原発事業と半導体事業で稼いでいくことだった。

     その道はもはや閉ざされた。脇役だった鉄道などの事業に、グループの将来と10万人を超える雇用を託さなければならない。

     こうした状況にもかかわらず、時間の空費が目立った交渉劇だった。東芝首脳の求心力や統治能力を疑わせただけでなく、対外的な信用も低下し、人材の流出がじわじわと広がっているに違いない。

     ここでひと息つく余裕はない。再建に向けた行動が急がれる。

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