メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

余録

類縁種のクジャクとシチメンチョウが争えば…

 類縁種のクジャクとシチメンチョウが争えば、体が小さいクジャクが勝つ。動物行動学者のローレンツが書いている。戦い方の違いに驚いたシチメンチョウがさっさと地に伏せる服従のポーズをとるのだ▲問題はその先で、シチメンチョウの間では本能的に攻撃停止をもたらす服従の姿勢がクジャクには分からない。クジャクは際限もなく攻め続け、シチメンチョウはますます服従の姿勢を固めるだけで逃げもしない。結果は悲惨になる▲ローレンツによれば、一般的に強力な牙などがある肉食獣は仲間内の争いで相手が服従の姿勢をとれば攻撃を止める本能がある。そうでないと種が絶滅しかねない。これに対して力の弱い動物ほど相手への攻撃を抑える歯止めがない▲人間も後者なのだが、違うのは途方もない破壊力をもつ武器を作り出したところである。たった1人の男が600人近くを死傷させたラスベガスの銃乱射が、人間の手にした攻撃力と攻撃を抑える本能のアンバランスを思い知らせる▲ホテルの32階から2万人のコンサート観衆に乱射した犯行の冷酷さには言葉もない。男は狩猟好きで銃42丁を所持していたというから、まるで銃の力に魅入(みい)られた崇拝(すうはい)者のようだ。動機は不明だが、当局はテロ組織とは無関係という▲米史上最悪の乱射なのにトランプ大統領の追悼コメントに銃規制の言葉はなかった。武器と本能のアンバランスによる惨禍(さんか)を防ぐのは文明の責務である。何度もそう学びながら前へ進めない銃崇拝社会の迷路だ。

    おすすめ記事

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. ルポ女子少年院 居場所を探して覚醒剤に手を出した少女
    2. グルメ 機動戦士ガンダム40周年記念!ガンダムオフィシャルカフェ『GUNDAM Café』が大阪・道頓堀の大地に立つ!(GetNavi web)
    3. NGT48暴行問題会見 一問一答
    4. 奥川が17奪三振完封 星稜、履正社降す
    5. NGT48暴行問題 山口さん反論にAKS、弁明に追われ 第三者委報告受け会見

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです