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余録

昨夜は中秋の名月、いわゆる十五夜だったが…

 昨夜は中秋の名月、いわゆる十五夜だったが、お月見をなさったろうか。今夜は十六夜、「いざよい」というのは、前夜より月が50分ほど遅く、ためらう(いざよう)ように出てくるからだとか▲あすの十七夜、さらに50分ほど遅れて出る月は立って待つ「立待月(たちまちづき)」という。その次の夜は「居待月(いまちづき)」、次は「臥待月(ふしまちづき)」または「寝待月(ねまちづき)」、そして陰暦8月20日の月は「更待月(ふけまちづき)」である。昔の人のこの季節の月へのこだわりはすごい▲では「十七屋 日本の内はあいと言う」という江戸川柳は何のことか。実は十七屋は飛脚のことで、日本中どこでも届けるとの意味である。十七夜--立待月で「たちまち着き」という次第である(興津要(おきつ・かなめ)著「大江戸商売ばなし」)▲江戸時代もたちまち着くは飛脚の売り文句だったのである。情報のやりとりならどこでも一瞬で届く今の世の物品配送が早さ、便利さの過当競争になるのも成り行きだろう。配送員の過重労働対策、料金値上げに揺れる宅配便である▲ネット通販の急拡大による配送現場の疲弊(ひへい)が社会問題となったこの半年だった。今は個人向け宅配便の値上げ、大口法人への値上げの消費者に対する影響に関心が集まっている。宅配大手は配送の要員増や効率化の方策を世に示した▲情報ネットワークの社会で、江戸の飛脚と同じく生身の人に頼る物品配送である。安易な値上げを許さぬ消費者も、今や社会基盤となった宅配システム安定のコストに思いをめぐらさねばならない立待月だ。

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