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余録

顔見世は劇場の年中行事の一つだ…

 顔見世(かおみせ)は劇場の年中行事の一つだ。江戸期、江戸では芝居小屋が毎年11月、上方(かみがた)では12月に新しい顔ぶれによる披露公演をした。1年のうちで最も重要な興行だった。役者たちはこの時期に1年間の専属契約を芝居小屋と結んでいた▲当然顔ぶれも変わっていく。京都・南座の顔見世興行では、出演者の名前が書かれた看板が今も掲げられる。ただの人になった前衆院議員も同じだ。自分の「氏名標」を議場で再び見ることができるかどうかの瀬戸際である。総選挙はあす公示される。国会の表舞台に立つには、国民に契約を更新してもらわなければならない▲解散劇は最大勢力を誇る自民一座の安倍晋三座長による演出で幕を開けた。回り舞台を使うように、森友・加計学園問題の追及劇から場面を切り替えた。そこへ小池百合子座長が新劇団の希望一座を旗揚げし、客席の空気は一変する▲その小池座長は民進一座からの合流をめぐり、過去の芸歴を見て役者を選別し、民進一座の分裂を招く。その後も一枚看板で舞台の主役を張り続けているのは確かだが、当初の筋書き通りにことが運んでいるかは分からない▲一方、安倍座長は「国民の平和で幸せな暮らしを守り抜く」と聴衆をかき口説くが、希望一座との違いが見えにくい。ここは役者の顔ばかり見るのではなく、腹の内を見極めなければならない。観客の目利きが問われる▲「顔見世や顔にかかりし紙の雪」(市川右団治)。紙吹雪の舞う花道を歩けるか、それとも奈落が待つのか。

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