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余録

東京駅を間近に見下ろす絶景の場所がある…

 東京駅を間近に見下ろす絶景の場所がある。旧東京中央郵便局の跡に建つJPタワーの6階にある屋上庭園だ。観光客らにまじって、鉄道好きの子どもが親に連れられてやってくる▲山手線に京浜東北線、東海道線、常磐線特急も走る。その向こうにはさまざまな新幹線。子どもの目の高さでもガラスのフェンスを通して、行き交う列車が見える。「きたあー」と歓声があがる。手を振る子もいる▲「鉄道には何か『宿るもの』があります。だから『きかんしゃトーマス』など擬人化されることも多い」。福山市立大准教授で「子どもはなぜ電車が好きなのか」(冬弓舎)を書いた弘田陽介さんの解説だ。お金がない求職中、「電車でも見に行こうか」と子どもと出かけ、飽きずにながめる姿を不思議に思って本にした▲教育学が専門の弘田さんは、見せるだけでなく乗せることの意味も指摘する。列車の中は社会経験の場であり、見知らぬ人とのかかわりや社会性を学ぶきっかけになる。それは家庭の延長にあるマイカーでの移動では得られないものだという▲子どもは外の景色や車内の広告、周りの大人にも興味を持つ。だから、子どもといろいろな話をしようと説く。列車で子どもは社会勉強をしていると思えば、落ち着きがなくても、少々騒々しくても大きな心で受け止められそうだ▲鉄道は町と町を結び、人と人をつないでいる。走る姿は人々をワクワクさせ、想像力をかきたててきた。出会いや別れも、ともにある。「鉄」学の道は奥深い。

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