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社説

中国共産党大会の習演説 世界と共存できる強国か

 中国共産党大会で習近平(しゅうきんぺい)国家主席が今世紀半ばまでに「社会主義現代化強国」を築くという新たな目標を打ち出した。独裁体制のまま先進国化を目指すという宣言である。

     日米などには中国が発展すれば、政治改革や民主化が進むのではないかという淡い期待があった。しかし、中国は別の道を歩むようだ。注意深く隣国の動向を見極めたい。

     習氏は3時間を超える演説で「新時代の中国の特色ある社会主義」思想を党の指針とすることを求めた。

     中国を世界第2の経済大国に押し上げたトウ小平(とうしょうへい)の高度成長路線は限界に来た。米国に並ぶ総合国力と国際的影響力を持つ強国を築くには新たな思想が必要だというわけだ。

     大会に顔を見せた江沢民(こうたくみん)、胡錦濤(こきんとう)のトップ経験者2人はトウが敷いたレールの上を進んだ。習氏は自ら新時代の路線を切り開くため、トウに並ぶ権威の確立を目指している。

     習氏は「われわれの活動は依然、不十分な点が多い」と認めた上で構造改革や技術革新、格差縮小などに取り組む姿勢を強調した。「科学技術強国」「品質強国」など目指す改革の方向性は理解できる。

     しかし「偉大な事業には『強い党』による指導が不可欠」と独裁体制の強化を正当化していることには疑問を感じざるを得ない。言論の封殺から飛躍的な技術革新につながる自由な発想が生まれるだろうか。

     今世紀半ばに「世界一流の軍隊」を建設するという目標も他国の警戒感を高める。「永遠に覇権を求めない」のなら、なぜ米国に並ぶ軍事力が必要なのか。南シナ海での人工島建設を過去5年の成果に挙げたことも問題だ。周辺国への配慮を欠いた姿勢が覇権拡大に映るのだ。

     「善意をもって隣国に接する」など美辞麗句は多い。しかし、中国が目指す強国が国際社会と平和共存できるものなのかは、今後の中国の行動で判断していくしかない。

     朝鮮半島の非核化や自由貿易体制の擁護など日中間には共通の利益も多い。中国が習氏の演説どおりに「世界平和の擁護、共同発展の促進」を目指すなら協力は可能だ。

     強権を手にした習氏の下で外交路線が調整される可能性もある。大会後の中国の出方を見ながら、新たな協力のあり方を考えていきたい。

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