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社説

横行するあおり運転 危険排除の啓発強めたい

 幅寄せや割り込みで車の進路を妨害する「あおり運転」は、他の車を巻きこんだ重大事故につながる危険性が極めて高い。

     先週容疑者が逮捕された東名高速道路上の夫婦死亡事故は、こうした無謀な運転が取り返しのつかない結果を招くことを改めて示した。

     この一件を契機に、あおり運転への社会的な関心が高まっている。

     被害者一家の車は、高速道路上で容疑者の車に接近や追い抜きなどを繰り返された。揚げ句に追い越し車線で車を停止させられ容疑者に暴行を受け、そのさなかに後続のトラックに追突され夫婦は亡くなった。

     逮捕容疑は、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)と暴行だ。過失致死傷罪の法定刑は最高でも懲役7年である。警察は、容疑者が車外にいたため、より罰則の重い危険運転致死傷罪の適用を見送った。

     捜査中だが、逮捕容疑の罪名でしか起訴できなければ疑問が残る。起こった事態の重大さと、科す刑罰の落差が大きすぎるからだ。法の不備ならば正さなければならない。

     あおり運転の実態はどうなのだろうか。警察は、接近しての嫌がらせは、道路交通法の「車間距離不保持」で摘発している。昨年の摘発件数は7625件だが、あおり運転がうちどれだけあるかは不明だという。

     一方、日本自動車連盟(JAF)が昨年実施したインターネット調査では、回答者約6万4000人の過半数が、あおられた経験が「よくある」「時々ある」と答えた。

     死亡事故の減少や飲酒運転の撲滅など車社会の進展に伴う課題は、時代とともに変化してきた。今は多くの人がストレスを抱える。あおり運転が横行する背景に、ハンドルを握ることで攻撃性が強まるというドライバーの意識を指摘する声もある。

     あおり運転がきっかけで傷害など刑事事件に発展するケースも少なくない。どちらが最初にあおったのかなど、証言が食い違えば犯罪の証明は容易ではない。ドライブレコーダーの装着などが有効だろう。

     ただし、ドライバーの自己防衛に任すだけでは足りない。警察による摘発はもちろん重要だが、社会から危険な行為を排除するための地道な啓発活動を関係機関が連携して進めていくことが大切だ。

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