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社説

習近平政権の新体制 強権を地域安定に生かせ

 中国共産党の第19期中央委員会第1回総会で習近平(しゅうきんぺい)国家主席(党総書記)が最高指導部の政治局常務委員会(7人)の主導権を握った。「習1強」体制の確立といえ、中国は「社会主義現代化強国」を目指し、「習近平時代」に入ることになる。

     第19回党大会では「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」が党規約に盛り込まれた。指導者の名前が明記されるのは毛沢東(もうたくとう)、トウ小平(とうしょうへい)以来3人目だ。

     「チャイナ・セブン」と呼ばれる新常務委員は側近の栗戦書(りつせんしょ)中央弁公庁主任ら習氏に近い幹部が多数を占め、後継者の内定は見送られた。習氏の任期延長論もくすぶっている。

     一方、習氏の盟友で腐敗摘発に力をふるった王岐山(おうきざん)氏は68歳以上は引退という慣例に従い、指導部を離れた。習氏も組織原理を無視して人事を操れるわけではないのだ。

     目玉は理論家で行政経験のない王滬寧(おうこねい)中央政策研究室主任の常務委員への抜てきだ。王氏は江沢民(こうたくみん)元国家主席ら3代のトップに仕え、国家の基本戦略を作成してきた。「習思想」をまとめ上げたのも王氏だろう。

     習氏は大会の報告で「天下の英才を集めて登用する」と表明した。王氏の登用もエリート統治で先進国化を目指す戦略の表れといえる。

     習氏が「1強」の力を何に使うかが鍵だ。統制強化では経済活性化にはつながらない。むしろ既得権益を守ろうとする国有企業の改革が試金石だ。対外政策では外務省だけでなく、軍やエネルギー部門など海洋進出に前のめりな利益集団を統合した外交を進められるかが問われる。

     王氏は国際政治の専門家で習氏の外国訪問にも同行してきた。楊潔〓(ようけつち)国務委員が外交官出身者では15年ぶりに政治局入りしたことも外交重視の姿勢と評価できる。

     安倍晋三首相は今年、日本で日中韓首脳会談を開催し、来年訪中した上で習氏の訪日を実現させたいという考えを示している。北朝鮮の核・ミサイル開発で東アジア情勢が緊迫する中、日中のシャトル外交は地域の安定に資するはずだ。

     11月にはトランプ米大統領が日中などアジアを歴訪する。米中関係は世界の安定に極めて重要だ。習氏が国内のナショナリズムを抑え、国際協調に動くことに期待したい。

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