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社説

いじめ認知件数が大幅増 子供の声くみ早期対応を

 文部科学省が、昨年度の小・中・高校生などの「問題行動・不登校調査」結果を公表した。

     いじめを認知した件数は32万3808件と、前年度より約9万8000件増えた。特に小学校では約8万6000件増と大幅に増加した。

     文科省が、けんかやふざけ合いに見えても一方的なものは積極的に認知するよう通知した結果という。

     子供同士のトラブルの早期に、教員がしっかり目を配るのは大切だ。自殺など重大事態に至らぬよう、学校ぐるみで早めに手を打つ意識が浸透しつつあるなら評価できる。

     気になるのは、認知件数の割合が都道府県によってまだ大きく差があることだ。1000人当たりの件数では、最多の京都府が96・8件なのに対し、最少の香川県は5件と、20倍近い差がある。さらに、認知件数がゼロの学校が3割もある。

     京都府は、いじめの有無や種類を選択式で答えやすくするアンケートをしたり複数回の調査を基に教員が進んで面談したりしているという。

     早期に子供の声をすくい上げ、いじめを積極的に見つけることを評価する教育委員会の姿勢も大事だ。

     いじめ自体は、依然として深刻な状況が続いている。自殺や不登校といった重大事態に至った件数も、前年度から増えて400件に達している。深刻ないじめに発展しないように未然に防ぐ努力が重要だ。

     教員がひとりで問題を抱え込まぬよう、校内での情報共有の強化やスクールカウンセラー、家庭との連携を密にする体制作りが欠かせない。

     調査では、暴力行為の増加も浮き彫りになった。学校や有識者からは、感情のコントロールができなかったり、言葉より先に手が出てしまったりする子供が増えているとの指摘があるという。いじめにもつながりかねない子供の不安定さだ。

     こうした状況は、学校のみならず家庭や社会といった多様な環境が関わってくる。対応は難しいが、教員は子供をしっかり観察し、問題の背景を知るように努めるべきだ。

     福井県では、中学2年の男子生徒が教員からの強い叱責などが原因で自殺する痛ましい事案が発覚した。

     子供の信頼がなければ、教員の指導は機能しない。いじめや不登校などへの対応もまったく同じである。

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