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余録

米ネバダ州の空軍基地エリア51には…

 米ネバダ州の空軍基地エリア51には宇宙人が隠されているし、アポロの月面着陸映像はS・キューブリック監督の特撮だ--この手の陰謀論(コンスピラシー・セオリー)を信じる米国人は少なくないらしい▲その米国において6割以上、調査によっては実に89%もの人が背後に陰謀があったと思っているのがケネディ大統領の暗殺である。公式にはオズワルドの単独犯行と断定されたが、それを信じる人は少数派という陰謀論の王様である▲ラテン語の「クイ・ボノ」、こうなって誰が得をするか?--は陰謀論の魔法のつえである。軍産複合体、石油業者、CIA、FBI、ソ連のKGB、亡命キューバ人、マフィア、果ては副大統領ジョンソンまで陰謀の主と目された▲さてその疑心暗鬼(ぎしんあんき)に決着をつけるかと注目された暗殺の機密資料公開である。当初は全面公開を約束していたトランプ大統領だが、いざ期日になってみれば一部の資料の公開については約半年かけて可否を審査するとして先送りした▲陰謀論の犯人リストを見れば、ワシントンの連邦政府への草の根の猜疑心(さいぎしん)が色濃くにじむ。そんな庶民の不信を追い風に大統領選挙を制したトランプ氏にすれば、全面公開は自らの政府の透明性をアピールするチャンスのはずだった▲トランプ氏が選挙の票の不正操作を口にするのも、人気の陰謀論の一つだからだろう。だがこの一部資料の公開延期が新たな疑心暗鬼を呼ぶのも成り行きだ。大統領には両刃の剣となる陰謀論の風土である。

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