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社説

第71回読書週間 本との出合いを広げたい

 秋の深まりとともに、第71回読書週間が始まった(11月9日まで)。ことしの標語は「本に恋する季節です!」。読書離れが続く中、本との出合いを広げる手立てを考えたい。

     数ある国内の文学賞はどれぐらい読者を増やしているのだろう。

     毎日新聞が16歳以上を対象に実施したことしの読書世論調査で、受賞を参考にして本を買ったことがあると答えた人が25%にのぼった。

     2015年の芥川賞受賞作、又吉直樹さんの「火花」は、ミリオンセラーになった。恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」は、ことしの直木賞と本屋大賞をダブル受賞して注目された。

     今月初旬には、長崎県出身の日系英国人作家カズオ・イシグロさんのノーベル文学賞受賞が決定し、その日本的感性が話題を集めている。

     イシグロ作品の邦訳版を出版する早川書房は、8作合わせ105万5000部を増刷した。同社は「受賞により読者層が広がった」と話す。

     社会現象にならなくても、文学賞は本と出合う一つのきっかけになるだろう。それを糸口に別のジャンルの本にも取り組んでみたい。

     子どもにも本離れは進んでいる。スマートフォンの普及に加え、街の書店が減った影響は見逃せない。

     全国学校図書館協議会(全国SLA)と毎日新聞が小中高校の児童、生徒を対象に行ったことしの学校読書調査によると、本屋に行くと答えた割合が、12年の調査に比べ小中高のいずれも11~8ポイント減っていた。

     気がかりなのは、図書館の利用も小中高と進むにつれ減る傾向があることだ。学校図書館に行くと答えた割合は、小学校の59%に対し、高校生は13%。こちらも、12年調査より小中高のすべてで減少した。

     学校教育では、討論や調べ学習を通じて主体的に学ぶ方向が示されている。学校図書館を「学びの場」として活用することも期待されているが、専門家は自然科学や社会科学などの蔵書が少ないと指摘する。

     蔵書を見直し、学校図書館を充実させるには、先生の努力だけでなく自治体の財政支援が必要だ。子どもの頃に本の楽しさを知ると、成長してからも読書は身近になる。

     本の中には著者のメッセージが詰まっている。人生を豊かにしてくれる本の魅力を若い層に伝えたい。

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