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神戸市営住宅

猫53匹放置し強制退去 費用請求を検討

強制退去処分になった女性の部屋にいた猫たち=神戸市東灘区で2017年4月7日、神戸市提供

 神戸市東灘区の市営住宅で、賃貸契約に反して猫を飼い、強制退去処分となった40代女性の部屋に猫53匹が放置されていたことが30日、同市への取材でわかった。女性は猫の世話をすることができなくなり、別の場所で生活していた。ふん尿などで汚れた部屋の修繕や消毒には約1000万円かかるといい、市は女性への費用請求を検討している。

 市によると、部屋は3DK(約60平方メートル)。女性は2006年に入居し、子ども3人との4人暮らしだった。15年秋ごろから「猫のふん尿で悪臭がする」との苦情が市に寄せられ、10回以上改善指導をしたが、従わなかったため、市は昨年10月に明け渡しを求めて神戸地裁に提訴。今年1月に市の訴えを認める判決が出て確定し、4月に強制執行した。

 室内には、去勢されていない53匹の猫と数匹の死骸があり、ふん尿で畳が腐り、床に穴が開くなど荒れ果てていた。女性一家は別の場所で暮らしており、猫はボランティア団体が引き取ったという。

強制執行直後の女性の部屋。室内はひどく汚れていた=神戸市東灘区で2017年4月7日、神戸市提供

 市住宅管理課の担当者は「繁殖しすぎたペットを飼育できなくなる『多頭飼育崩壊』の状態だ。悪質な事例が続けば、契約だけでなく市営住宅条例にもペット禁止を盛り込み、罰則を設けることも検討したい」としている。【栗田亨】

「不妊手術必要」保護現場も苦悩

 多頭飼育崩壊は飼い主のいない猫の保護に取り組むボランティアの間でも問題になっている。猫の不妊手術を無料で行えるよう支援している公益財団法人「どうぶつ基金」(兵庫県芦屋市)の佐上邦久理事長(57)は「この2~3年増加傾向にあり、相談だけでも年間約100件。全国的な問題で、現在明らかになっているのは氷山の一角だろう」と危機感を抱く。

 雌猫は年3回妊娠でき、1回に4~6匹の子猫を産む。佐上さんは「一組のつがいから、生まれた子猫たちが更に繁殖し3年で約100匹に増える」と話す。実際の現場では平均50匹、多い時は80~100匹に増えていることもある。「自治体や地元のボランティアの助けを借りて一日でも早く、現場にいるすべての猫に不妊手術をすることが大事」と訴える。【倉田陶子】

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