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社説

トランプ選対の元幹部起訴 疑惑はますます深まった

 米大統領選をめぐる「ロシアゲート」で初めての起訴である。モラー特別検察官が最初に大物の元選対本部長を訴追したのは、疑惑解明に対する自信の表れだろうか。

     今回訴追されたのは3人。中心人物のポール・マナフォート氏はベテランの政治コンサルタントで共和党の歴代大統領の陣営で働き、昨年3月にトランプ選対に加わった。

     6月には選対本部長に昇格したが、ウクライナの元大統領で親ロシア派のヤヌコビッチ氏側から計1200万ドル(約14億円)もの金を受け取ったと報じられ8月に辞任した。

     他にマナフォート氏のビジネスパートナーとトランプ陣営の外交顧問も訴追された。同氏の起訴内容は、外国での不適切な活動に基づく「国家に対する謀略」や資金洗浄、脱税など12に及んでいる。

     トランプ大統領はツイッターを通じ、起訴内容はマナフォート氏が陣営に参加する前のことだと語った。確かに同氏がヤヌコビッチ氏の代理人として活動したのは2015年まででトランプ選対入りの前である。

     だが、疑惑は多岐に及ぶ。例えばマナフォート氏は昨年6月、クリントン元国務長官(民主党の大統領選候補者)に不利な情報を求めてロシア人弁護士と会談し、トランプ氏の長男や娘婿のクシュナー氏(現上級顧問)も同席したとされる。

     トランプ氏は大統領選期間中からロシアのプーチン大統領と奇妙なほど親密に見えた。そしてオバマ前政権は今年1月、プーチン大統領の命令で民主党陣営に対するサイバー攻撃が行われたとする情報機関の報告書を公表している。

     ではロシアの「選挙介入」にトランプ陣営の関与はなかったか。そこが疑惑の焦点である。

     31ページの起訴状にはトランプ氏自身の不適切な行為に関する記述はない。だが、捜査は始まったばかりだ。大統領辞任に発展した1970年代のウォーターゲート事件も、ありふれた住居侵入が発端だった。

     ロシアゲートがどう推移するかは見通せないが、訴追された外交顧問は偽証を認めて捜査への協力を約束したといわれ、司法のメスが政権上層部に及ぶことも予想される。少なくとも、疑惑がさらに深まったのは確かである。

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