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我らが少女A

/100 第3章 34=高村薫 多田和博・挿画監修

 高校時代、朱美の素行は突然悪くなり、誰の眼(め)にも粗暴な非行少女が出現する。しかし同時に、周囲の印象は中学時代にもまして薄くなり、まるで存在ごと濃霧のなかへ吸い込まれていったかのようだ。

 教師たちの覚えている朱美は、身も蓋(ふた)もない姿をしている。学校に来ていたのは一年の一学期までで、二学期からは欠席だらけになり、週に二、三回は警察から補導の連絡が入る札付きだった。たまに登校するのは寝るためで、カバンに化粧道具と避妊具が入っていたこともある。シンナーや刃物が入っていなかったのが、せめてもの救いだ。夜遊びして朝帰りするので、スーパー勤めの母親とはすれ違いが多く、担任が家庭訪問しても、鬱病気味の母親ものれんに腕押しで、学校としては為(な)すすべがなかった。自宅近くの水彩画教室に通っていたのは、学校としては把握していない。結局、三年の冬に退学して、そのあと家…

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