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我らが少女A

/101 第3章 35=高村薫 多田和博・挿画監修

 夜勤明けの私服で多磨駅のホームに出た小野の眼(め)の前を、あの雑誌モデルっぽい外大生が通りすぎる。今日は似たような風情の女友だちが一緒で、笑い声交じりの乾いた話し声が、どこかの風鈴のように軽く鳴り響くのを耳に留めながら、小野はふと<あの二人はこうではなかった-->と思う。上田朱美と栂野(とがの)真弓がどんな感じの友だちだったかと聴かれても、自分にはよく分からないが、少なくともこういう感じではなかった、と。

 もっとも、<こういう感じ>はそれ以上の言葉にならず、先日刑事たちにあらためて二人について尋ねられた…

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