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トランプ大統領

「自由で開かれたインド太平洋地域を」

APEC関連会合で演説 包括的なアジア政策の初表明

 【ダナン(ベトナム中部)高本耕太、福岡静哉】トランプ米大統領は10日、ベトナム中部ダナンを訪問し、アジア太平洋経済協力会議(APEC)の関連会合で演説した。「独立した主権国家がそれぞれの夢を追求する、自由で開かれたインド太平洋地域を目指す」と地域への関与姿勢を表明。一方で環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を念頭に「米国は手足の縛られる大型協定には参加しない」と改めて明言した。

     1月に就任したトランプ氏による包括的なアジア政策の表明は初めて。32分間の演説では、その多くを経済・貿易分野に割いた。APEC加盟各国の戦後発展の歴史を列挙したうえで「米国は、公正と互恵の精神を守るいかなる地域諸国とも通商関係を結ぶ用意がある」と述べ、2国間協定の積み重ねによって地域連携を強化する考えを強調。「『インド太平洋の夢』を実現する」と語った。

     一方で、TPPなどの多国間通商枠組みについては「(国家を)束縛して主権を奪い、ルール執行を不可能にするものだ」と批判した。また各国との貿易不均衡問題に触れ、国営企業の寡占や知的財産権侵害、企業スパイ行為など米企業が各国市場で受ける「不利益」に関し「これ以上、看過しない」と明言。世界貿易機関(WTO)に関し「米国を公正に扱っていない」と不満を表明した。

     核・ミサイル開発を繰り返す北朝鮮については「一人の独裁者のゆがんだ征服欲と核の脅しによって、この地域の未来が人質に取られることがあってはならない」として、圧力強化への地域諸国の連携を訴えた。

     南・東シナ海への進出を続け、現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」を提唱するなど地域での影響力拡大を図る中国については直接の言及を避けつつも「我々は法の支配や航行・上空飛行の自由といった原則を守らなければならない」と述べ、けん制した。

     一方、中国の習近平国家主席も同日、APEC関連会合で演説。国際貿易分野で「多国間主義を支持する」と表明した。「より開放的でより包容力があり、すべての国が利益を得られるようにすべきだ」と、世界との利益共有の重要性を強調し、「米国第一」を掲げるトランプ氏との差異を明確にした。

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